ブラジルサッカー界のオフは短い。昨年12月11日に全国選手権が終了したばかりだが、もう今年の各州選手権が始まろうとしている。
しかし、ブラジルで最も有名なスタジアム、リオのマラカナン競技場は悲惨なありさまだ。
同競技場は今、ほとんど廃棄された状態で、2014年のワールドカップ決勝や、昨年の五輪・パラリンピックで見せた美しい姿からは程遠い。泥棒も入り放題で、朽ち果てているのが現状だ。
「所有者も法の管理も全くなし」―。誰がマラカナンがこんな状況に陥ると想像できただろう。
2014年のワールドカップ開催のために、同競技場の改修には13億レアルが投じられたが、現在は、芝が禿げ、座席も壊れている。
10日には同競技場で大きな盗難事件が発生した。同競技場の警備を担当するサンセット社は、2台のテレビ、銅製の防火ホース先端部、二つの銅の胸像が盗まれたと公表した。
同競技場は、昨年12月30日より電気が切られており、防犯ビデオの映像も残っていない。
TV局のニュース番組のスタッフたちが競技場周辺で撮影している時も、競技場から盗んだと思われるケーブルの詰まった袋を抱え、その脇を走り抜ける人の姿が見られた。
競技場はリオ州所有だが、2013年の入札の末、競技場の運営権は35年契約でマラカナンS/A社に移った。
そのマラカナンS/A社は、昨年3月にマラカナン競技場の運営権をリオ五輪パラリンピック組織委員会に貸し出した。
リオ五輪パラリンピック組織委から返却された際に、マラカナンS/A社は、競技場の状態が貸し出す前と違うとして、受け取りを拒否していた。
組織委広報部長のマリオ・アンドラーダ氏は、「ちゃんと引渡しの義務は果たす。我々の義務にも優先順位がある。契約業者への支払いやチケットの返金もまだ済んでいない。マラカナンの状態を戻すのはそれから」と語った。
しかし、マラカナンS/A社には同競技場の運営を継続する意志はなく、リオ州は新たな運営権入札の可能性を探り始めた。
伝説のスタジアムの未来は闇に包まれている。(11日付グローボ局サイトより)
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