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アマゾナス州マナウス=囚人大量殺戮の主犯者ら移送=厳重警備の連邦刑務所へ

 【既報関連】1~2日にアマゾナス州マナウス市で起きた4刑務所での暴動と大量殺戮の主犯格の囚人17人が、11日に厳重警備の連邦刑務所に移送されたと同日付G1サイトが報じた。
 1~2日の暴動はアントニオ・トリンダーデ刑務所(Ipat)での脱走騒ぎで始まり、アニージオ・ジョビン複合刑務所(Compaj)で56人、プラケクアラ刑務所で4人が殺された。また、トリンダーデとジョビンの両刑務所から計184人脱走という、史上稀な規模となった。
 両日の暴動は、リオデジャネイロ州を拠点とするコマンド・ヴェルメーリョ(CV)と手を組んでいる地元の麻薬密売組織、ファミリ・ド・ノルテ(FDN)が起こしたもの。殺されたのはサンパウロ州を拠点とし、CVのライバルの州都第一コマンド(PCC)の構成員が中心とされている。
 暴動はマット・グロッソ州内の連邦刑務所にいるFDNのリーダーの指示とされ、12日付エスタード紙は、連邦刑務所に送られたFDNのリーダーが年末に地元の刑務所に戻って来られなかった事が原因で起きた報復行為と報じている。
 移送対象となったのは脱走者も出た2刑務所にいた囚人17人で、10日に軍警機動隊本部に連行され、11日に法医学研究所で検診を受けた後に、各地の連邦刑務所に移送された(移送先は非公開)。
 12日付エスタード紙によれば、警察は6日、ジョビン刑務所のFDNリーダーが携帯電話で、報復計画第1弾(同刑務所での大量殺戮)は成功し、第2弾も準備中と話しているのを盗聴した。第2弾では、州保安局長や州検察局の組織犯罪対策特別班検事らを攻撃する予定だったという。
 主犯格の囚人の移送は刑務所内での犯罪組織同士の抗争や混乱回避が目的だが、この種の移送は新たな暴動の原因となる可能性もあるため、警戒態勢も強化されている。