現在、ブラジル政府が検討中の「不動産部門における契約解除規制案」に、計画段階で不動産の購入契約をした人が契約破棄を申し出た場合、建設業者は建物の価格の10%までの権利を持つ内容が含まれると14日付現地紙が報じた。ただし、建設業者の権利の上限は購入者が支払った額の9割と規定される。
同案によると、50万レアル相当の建物の買い取り契約が破棄された場合、建設会社は5万レアル分の権利を持つことができる。ただ、消費者が、3万レアルしか支払っていない場合、建設業者の権利は、その9割の2万7千レアルに留まる。
政府と建設業者はこれを歓迎しているが、住宅開発業者共同体のAbraincは、100万レアルを超える不動産については、契約破棄の際の建設業者の取り分を、価格の15%から20%にするよう求めている。
高額不動産を購入できる消費者は、他の消費者より高い判断能力を持っているはずで、契約破棄が起こった際、建物の権利を高い割合で建築業者に持っていかれて不利益を被っても仕方がないというのがその論拠だ。
「消費者が計画段階の不動産を購入したが、建設が大幅に遅れたりして購入契約を破棄」した事例は、消費者と建設業者の間で長期間の法廷闘争が繰り返されてきた。
19の主要住宅開発会のデータでは、昨年1~10月は、販売件数の45%にあたる、3万7700件の不動産契約が破棄された。
Abrainc副会長のレナト・ヴェントゥーラ氏は「契約破棄増加は業界の投資を悪化させ、雇用や建設、最終的な購入者にも悪影響を及ぼす。消費者、建設会社、住宅開発会社がリスクを等しく分かち合う方策を模索したい」と語った。