イギリスの自動車大手ロールス・ロイスが16日、イギリスやアメリカの当局や、ブラジル連邦検察庁のラヴァ・ジャット作戦(LJ)捜査チームと、同社が行ってきた贈賄工作に関する司法取引(デラソン・プレミアーダ、以下デラソン)に応じる契約を結んだと発表した。17、18日付現地紙が報じている。
ロールス・ロイスは高級車企業のイメージが強いが、同社の取り扱い業種は航空機の部品、水力もしくは原子力発電の分野にも及んでいる。
そのロールス・ロイスがこのたび、少なくとも12カ国で展開していたという贈賄工作に関するデラソンを行うことを決めた。司法取引に基づく罰金額は計6億7100万ポンド(26億レアル相当)といわれている。ブラジルでの贈賄はペトロブラス社との事業契約に関するもので、ブラジルに支払う罰金額は8120万レアルとなる。
同社とペトロブラスとの間での贈賄工作は、LJの重要被告のひとりである、同公社サービス部元役員のペドロ・バルスコ被告が2年前のデラソンで暴露していた。
それによると、ロールス・ロイスが2003~10年に石油採掘船用の発動機に関して6件、計1億ドルの売買契約を交わした際、バルスコ被告は賄賂として少なくとも20万ドルを受け取ったという。
だが、国庫庁の調査によると、ロールス・ロイスがペトロブラスと結んだ契約は6億5千万レアルに及んでおり、同社は3970万レの利益を得ていたという。
また、17日にアメリカ当局が発表したデラソンの内容によると、ロールス・ロイスが03~13年にペトロブラス職員に払った賄賂の額は160万ドル(510万レアル)に上るという。
バルスコ被告はデラソンで、企業家のルイス・エドゥアルド・カンポス・バルボーザ・ダ・シウヴァ被告の名もあげていた。シウヴァ被告はSBMオフショアなどとの贈収賄工作で闇ブローカーとして暗躍。オイルドライヴ・コンスウトリア社のジュリオ・ファエルマン被告と共に「バットマン&ロビン」の隠語で捜査線上に浮かび上がっていた。
両被告は既にラヴァ・ジャットでのデラソンに応じており、シウヴァ被告は「オイルドライヴ社がロールス・ロイスにペトロブラスと契約するように後押しした」と供述している。
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