サンパウロ市東部ヴィラ・アウピナで18日夜、警官が近づいてきたのに気づいた車強盗が、生後7カ月の赤ん坊を乗せたまま逃走したが、事故を起こして警官に捕まるという事件が起きた。
警察によると、被害者はアメリカ人の夫とブラジル人の妻、7カ月の娘の3人家族だ。この一家は妻の家族に娘を見せようとしてブラジルに帰ってきており、海岸部への旅行を終えて、妻の親戚の家に着いたところで、強盗に囲まれた。
そこに来合わせたのが巡回中のパトカーだが、警官が怪しいと思って近づいてきた時には既に、両親は車から降ろされ、犯人達が車に乗り込んでいた。
両親は後部座席のチャイルドシートにいた娘を降ろそうとしたが、ちょうどその時、警官が近づいて来た事に気づいた犯人達がエンジンをかけて車を発進。母親が取りすがって娘を助け出そうとしたが、犯人達は扉も閉めずに走り去った。
パトカーがすぐに追跡を開始したため、犯人達はパトカーに発砲したりして抵抗したが、約15分後に隣接するサンカエタノ・ド・スル市内で事故を起こし、徒歩で逃げようとした。
犯人の1人のカウエ・ビニシウス・パイネリ・デ・ブリット(19)は、近くの民家に逃げ込み、中にいた女性2人を人質にとったが、その後に投降した。ブリットには窃盗などの前科があったという。
もう1人の犯人は現在も逃走中だ。
なお、車の中に残されていた赤ん坊は、驚いて泣いてはいたが、外傷などはなく、両親のもとに無事に届けられた。
アメリカ人の夫は警官に感謝すると共に、「突然の事件で驚いたが、悪い事をする人間はどこにでもいる。大半のブラジル人はとても親身に人を迎えてくれるし、この事件のせいでブラジルが嫌いになるという事はない」と語った。(19日付G1サイトより)
タグ:サンパウロ