昨年11月末に発生した悲惨な飛行機事故で、監督、選手、チーム首脳陣のほとんどを失ったブラジル南部サンタカタリーナ州のサッカーチーム、シャペコエンセのトップチームが、事故以来初の試合を行ったと22日付現地紙が報じた。
2017年シーズンの開幕を目前に控えるシャペコエンセは、昨年の全国選手権優勝チーム、パルメイラスを本拠地のアレーナ・コンダに招いて親善試合を行った。
試合前には、チームが昨年獲得したスルアメリカーナ杯優勝トロフィーの披露が行われ、飛行機事故の生存者である、アラン・ルシェウ、ネット、フォルマンの3人がトロフィーを掲げた。遺族と共に優勝メダルを受け取った3人は、感極まって涙を流した。
スタンドとフィールドをさえぎる柵や、フィールド内のゴールのネットには、犠牲者の鎮魂を祈り、折鶴が吊るされた。
新監督の下、連携を深める時間も十分とれず、新加入の選手だけで挑んだシャペコエンセは、パルメイラスに善戦し、前半24分と、後半1分に2点をうばった。
前半から通算で71分目となる後半26分には、飛行機事故の犠牲者71人を追悼する意味で、試合を1分間中断。スタジアムの観衆は皆立ち上がり、鎮魂の拍手と共に、シャペコエンセを応援する歌を歌った。
パルメイラスは前半11分には新加入のラファエル・ヴェイガ、後半33分にはヴィチーニョが得点し、試合は2対2の引き分けに終わった。
シャペコエンセの今年最初の公式戦は、26日に行われるプリメイラ・リーガ初戦で、本拠地のアレーナ・コンダでジョインヴィレと戦う。