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テオリ判事事故死=後任のラヴァ・ジャット報告官は誰?=最高裁第2班か書記官かの二択か=カルメン長官は沈黙のまま=後任判事はその後に決定

21日のテオリ判事の葬儀(Karine Viana/Palácio Piratini)

21日のテオリ判事の葬儀(Karine Viana/Palácio Piratini)

 ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の報告官を務めていた連邦最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事が19日に事故死したことを受け、後任人事をめぐって様々な憶測が流れているが、カルメン・ルシア最高裁長官は沈黙を守っており、今後の先行きはまだ不透明だ。だが、いずれにせよ、LJの報告官は既に在任中の最高裁判事の誰かが引き継ぐことになる。22、23日付現地紙が報じている。

 テメル大統領は21日にリオ・グランデ・ド・スール州ポルト・アレグレで行われたテオリ氏の葬儀の際、テオリ氏の後任判事の人事に関して「LJの報告官が決まらない限り、選びようがない」と答えた。
 この発言により、新たに任命される判事がLJの報告官を務める可能性はなくなった。
 これにより、後任の報告官選出はカルメン長官の決断次第となるが、同長官はテオリ氏の葬儀の際もこの件については何も語らず、また、他の判事とも話をしていない。
 後任の報告官に関しては、いくつかの推測がある。まず一つは、テオリ氏が所属していた最高裁第2班から選ぶというものだ。それでいくと、セウソ・デ・メロ、ディアス・トフォリ、リカルド・レヴァンドウスキー、ジウマール・メンデスの4判事の誰かということになる。通常の報告官選びなら、これが標準的だ。
 ただ、今回は単なる報告官の後任選びという訳にはいかない。それは、オデブレヒト社の現・元幹部77人の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)という、ブラジル政治史を揺るがしかねない政治家汚職暴露が予想される重要案件をかかえたままでテオリ氏が死亡した上、LJの審理には、レナン上院議長など、全体審理にかけるべき人物も含まれているからだ。
 このため、新たな報告官は抽選などで簡単に決めず、書記官(レヴィゾール)に継がせるべきとの意見もある。現在のレヴィゾールは、第2班がセウソ・デ・メロ判事、最高裁全体ではルイス・ロベルト・バローゾ判事となる。
 ブラジル弁護士会(OAB)は、LJの今後をハッキリとさせる意味でも、社会的にも影響が大きいオデブレヒトのデラソン承認は、カルメン長官が早期に行うよう求めている。だが、最高裁判事たちは、テオリ氏の生前は2月前半に出されると見られていた同社のデラソン承認とその公表許可を長官自身が出す可能性は低いと見ている。
 マルコ・アウレリオ・メロ判事は23日、LJの後任の報告官選びは数日中に行われるとの見通しを明らかにしたが、オデブレヒトのデラソン承認をカルメン長官が行う可能性は否定した。一般のメディアでは、報告官選びの方法も最高裁内部の話し合いで決まるだろうという見方が強い。
 一方、テオリ氏に代わる新判事には、4人の高等裁判所判事や、アレッシャンドレ・モラエス法相、グラッセ・メンドンサ国家総弁護庁長官らの名前が出ているようだ。