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サンパウロ=新市長、景観重視の政策を打ち出す=自身も作業着で清掃活動行う=壁画アーティストたちからは反発も

自らも作業する姿をマスコミの前で披露し、サンパウロ市内清掃作戦への支持を訴える、ジョアン・ドリア市長(Cesar Ogata/Secom)

自らも作業する姿をマスコミの前で披露し、サンパウロ市内清掃作戦への支持を訴える、ジョアン・ドリア市長(Cesar Ogata/Secom)

 サンパウロ市長就任以来、シダーデ・リンダと銘うっての市内清掃活動を精力的に続けるジョアン・ドリア新市長。同市長は清掃員の制服を着て実際に清掃活動を行い、同政策への支持を訴えている。
 市内を通る5月23日大通り脇の壁にかかれたグラフィッチと呼ばれる壁画は、景観を乱すとして同市長が灰色のペンキを上に塗っていたが、23日の朝、その壁には色つきのシミのような模様が見られた。
 異なる色で塗られたシミは、市内の壁画や、スプレーで描かれた文字は芸術であると主張するアーティストたちによる、ドリア市長への抗議だと思われる。
 抗議のシミが現れたのは、5月23日大通り付近の壁だ。この壁には、面積が1万5千平方メートルに及ぶ、ラテンアメリカ最大のグラフィッチアートがあったが、新市長の政策で塗りつぶされてしまっていた。
 ジョアン・ドリア市長は、同大通りには8カ所、グラフィッチ・アーティスト向けのスペースを用意すると発表したが、それでも抗議の声は止まず、同市長の政策に抗議するアーティストたちのデモも発生した。
  ドリア市長は、「壁画(グラフィッチ)と、醜いスプレーでの落書きは区別しなくてはいけない。見事な絵が描かれたグラフィッチは尊重するが、スプレーで凝った書体を使い、攻撃的かつ挑発的、扇動的な文言を書き込んだだけのものは芸術品として尊重できない。罰則の対象だ」と述べた。
 同市長はさらに落書きの監視を強化し、罰金を5倍にする法案を市議会に提出する意向であることも示した。(23日付G1サイト、フォトス・プブリカスより)