【既報関連】14日に26人の死者を出した、リオ・グランデ・ド・ノルテ(北大河)州都ナタール近郊のアルカスス刑務所での暴動発生から12日目の25日、ロビンソン・ファリア同州知事が同刑務所を年内に閉鎖する予定である事を明らかにしたと、25、26日付ブラジル現地サイトが報じた。
アルカスス刑務所閉鎖の時期は、セアラー・ミリン、アフォンソ・ベレーザ、モッソローの3カ所での刑務所建設の進捗状況による。これらの3刑務所の合計収容人員は2200人で、刑務所過密問題を緩和する。
アルカスス刑務所は、サンパウロ州を拠点とするギャング集団の州都第一コマンド(PCC)と同州を拠点とする犯罪シンジケート(SDC)の囚人同士の抗争が発端となった、14日の暴動、大量殺戮以来、公権力による統制がとれていない状態だ。
北大河州政府は、刑務所の新設とアルカスス刑務所の閉鎖により、中長期的視野でこの問題を解決できるとしているが、アルカスス刑務所をいつ閉鎖できるかは明らかにしていない。
アルカスス刑務所内では現在、SDCとPCCを引き離すための壁が建設されている。壁は15日程度で出来上がる見込みだ。現在は仮設壁として、大型コンテナが2段に並べられている。
また、閉鎖までの間の犯罪防止策として、アルカスス刑務所周辺には、外塀から50メートルのところに、刑務所の外から武器や薬物を投げ入れるのを阻止するための柵が設置され、照明設備も補強される。
同州政府はまた、扉が破損し、施錠不能となった房に代わる、仮設房50を可及的速やかに建設すると発表した。各房は20人収容で、合計1000人を収容できる。
25日夜には、北大河州内の刑務所平定の任を受けた、法務省全国刑務所管理局(DEPEN)の特別作戦チームも同州入りした。リオ州、セアラー州、サンパウロ州、連邦直轄区(ブラジリア)から派遣された隊員78人の主要任務はアルカスス刑務所の平定だ。これらの隊員達は暴動鎮圧や囚人統制、刑務所内介入のための特別訓練を受けている。
アレシャンドレ・デ・モラエス法相によると、隊員たちの派遣期間は30日間だが、作戦の進行状況、成果、北大河州政府の要請により、この期限は変化する。
14日の暴動発生以降、アルカスス刑務所では脱獄が相次ぎ、25日までに逃亡者が56人出ているが、再逮捕者は4人のみだ。19日に起きた暴動での犠牲者も含めた死者は28人、負傷者は10人とされている。