26日、連邦警察のラヴァ・ジャット作戦(LJ)に付随する「エフィシエンシア作戦」で、かつてブラジルを代表する大富豪、時代の寵児として知られたEBXグループ会長のエイケ・バチスタ氏に逮捕状が出た。同容疑者は現在逮捕中のセルジオ・カブラル容疑者が同州知事だった時代に贈賄を行った疑いを持たれている。26日付G1サイトなどが報じている。
エフィシエンシア作戦は、昨年11月にカブラル氏らが逮捕された「カルカッタ作戦」に続く、LJ関連の特別作戦だ。26日の作戦では、9人に逮捕令状、4人に強制連行の令状が出た他、約40カ所で家宅捜索も行われた。
逮捕者の内3人は、カルカッタ作戦で既に逮捕されているカブラル氏とウィルソン・カルロス、カルロス・ミランダの各容疑者で、今回は3度目の逮捕となった。
また、エイケ氏のかつての右腕的存在で現在はサッカーの名門クラブ、フラメンゴ副会長のフラヴィオ・ゴルジーニョ容疑者や、カブラル氏の妻アドリアナ・アンセルモ容疑者の共同経営者で弁護士のチアゴ・アラゴン・ゴンサウヴェス・ペレイラ・エ・シウヴァ容疑者も逮捕された。
さらに、強制連行者の中には、カブラル氏の前妻のスザーネ氏や、カブラル氏の末弟のマウリシオ・デ・オリヴェイラ・カブラル・サントス氏らも含まれている。
エイケ容疑者は前回のカルカッタ作戦でも、同容疑者の企業のひとつがアドリアナ容疑者の弁護士事務所に対し100万レアルを振り込んでいたとして、贈賄容疑がかけられていた。
今回の容疑はエイケ氏とゴルジーニョ氏が、2011年にカブラル氏に対し、契約締結の円滑化を目的とした贈賄を行ったことに関するものだ。調べによると、2010年にパナマの銀行にある架空企業の口座に振り込まれ、ウルグアイで受領された1650万ドル(5200万レアル相当)は、カブラル氏への賄賂だったという。3容疑者は虚偽の証言による捜査妨害も行ったとされている。
カブラル容疑者を頭とするグループは、国外に1億ドル(3億4千万レアル相当)の隠し資産を有していると見られている。
エイケ氏は国外滞在中で、26日には逮捕されなかった。同氏の弁護士によると「仕事でニューヨークに旅行中だが、早急に帰国した上で自ら出頭する」意向だという。
エイケ氏は2000年頃には有名女優の夫として知られていたが、その後に石油系企業のグループで340億レアルともいわれた財をなし、2010年頃から数年は世界有数の富豪として、世界長者番付の10傑入りを果たしていた。
だが、ブラジルの景気後退と共に企業崩壊が伝えられ、現在では巨額の負債苦やラヴァ・ジャットでの疑惑が伝えられるようになっていた。
今回の捜査では、約1億ドルの金を国外の隠し口座を通して資金洗浄していた疑惑に対する調査も行われている。