27日、リオ・グランデ・ド・スル州サンタマリアで起きた、ライブハウス「Kiss」で242人が死亡した大惨事からちょうど4年が経った。
この事件は、同ハウスで行われていたオールナイトのパーティの際、生演奏を行っていたバンド「グリザーダ・ファンダンゲイラ」が、ステージで炎を使った演出を行ったところ、火が天井材に引火し、瞬く間に会場全体に黒煙がたちこめた。
このライブハウスは出口が一つしかない上、誘導灯もなかったため、暗闇の中でトイレに迷い込み、逃げ場を失うなど、混乱が生じた。242人の犠牲者の多くは、焼死ではなく、一酸化炭素中毒によって死亡した。
同市は学生街として有名で、この日の客も若者が多かったため、それが社会的な悲しみと憤りをより大きくした。生存者たちは今も、様々な後遺症に苦しんでいる。
この件ではライブハウスの運営者2人と、バンドのリーダーとプロデューサーの計4人が、業務上過失致死などで起訴された。グリザード・ファンダンゲイラはカントリー系のセルタネージャのバンドで、炎の演出を行うという過激なイメージは、その音楽性とは余り似つかわしいものではなかった。
この4人の被告は16年7月に、242人分の殺人罪と636人分の殺人未遂罪で陪審裁判にかけられることになったが、バンドリーダーとプロデューサーの弁護士たちは、「二人共殺意がなかったのだから、陪審裁判には行く必要はない」と主張して上告した。ライブハウス側も「市と検察、消防署すべてが事故の責任者として絡められないのなら控訴する」として、陪審裁判を免れようとしている。
また、16年7月の裁判では、「Kiss」が消防法の基準を満たしていないのに営業許可を与えた消防関係者3人と、不正手続きを行っていた消防関係者1人にも有罪判決が下った。
1月18日、同州裁判所は、州と市、および「Kiss」に対し、生存者の1人に2万レアルの賠償金を支払う命令を下した。23日にも裁判所は市に対し、犠牲者1人の遺族に20万レアルの支払を行うよう、命令を下している。
だが、遺族や生存者全員へのつぐないが行われるのは、さらに先の話になりそうだ。(28日付アゴラ紙より)
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