1月24日に出血性の脳血管障害(AVC)を起こし、サンパウロ市のシリオ・リバネス病院に入院中であった、ルーラ元大統領の妻マリーザ・レチシア氏(66)が、2日に脳死と判定され、家族も臓器提供を認めたと2日付現地紙サイトが報じた。
マリーザ氏は1月24日午後、サンパウロ市に隣接するサンベルナルド・ド・カンポ市の自宅で具合が悪くなり、同市の救急病院に運ばれた後、シリオ・リバネス病院に緊急移送された。
同病院では脳動脈瘤破裂と診断が下り、緊急手術や投薬、体温を下げて脳内の炎症を抑えると共に血液の塊が小さくなるのを待つなどの措置がとられ、1月31日には好転の兆しも見られた。
だが、1月31日に沈静剤投与を停止した後に病状が悪化し、2月1日に再投与となった。同日夜は多少だが認められた脳内の血流が、2日朝の検査では完全に止まっている事が確認された。
病院側は午前10時25分、脳死状態である事と、家族からの同意を得て臓器提供の手続きを開始した事を明かした。
ルーラ元大統領はその直後、マリーザ氏の回復を祈り、支援してくれた人々への感謝と、臓器提供を認めた事を記した文と写真をソーシャルネットワークに掲載した。
マリーザ氏が脳死状態となった事で、今後は、労働者党(PT)関係者がラヴァ・ジャット作戦(LJ)を担当する捜査官や裁判官への批判を強める可能性や、18年統一選を弔い合戦と位置づける可能性が高まった。同氏がAVCを起こした後、ルーラ研究所の岡本パウロ所長らは「マリーザ氏が倒れたのはLJのせいだ」と批判の声を上げているからだ。
マリーザ氏は、サンパウロ州グアルジャーの三層住宅やアチバイアの別荘の件などでルーラ氏と共に収賄などの容疑をかけられ、ラヴァ・ジャット裁判の被告となっていた。岡本氏によると、マリーザ氏は、ルーラ氏や息子達が言われも無い罪で迫害されていると気を病んでいたという。
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