2001年9月に名古屋市内で風俗店経営の男性が誘拐後に殺害され、金品が奪われた事件に関与したとして、当地の連邦警察は1日、サンパウロ州内陸部で日系ブラジル人2人を逮捕した。連邦検察庁がサイト上で3日に公表し、共同通信が報じた。逮捕されたのはマルセーロ・ヨコヤマ、アレシャンドレ・ヒデキ・ミウラ容疑者で、2人は犯行から20日後にブラジルへ逃亡した。当地で代理処罰(国外犯処罰規定による訴追)の裁判が行われる見通しだという。
当地の検察が誘拐・強奪の罪で2人を起訴、逮捕令状を請求し、サンパウロ連邦裁判所が1月12日に受理していた。
被害者男性に発砲して殺害したのは日本人で、既に逮捕され有罪判決を受けた。犯行に関与したとされる日本人5人は暴力団関係者で、この2人以外にさらにブラジル人4人の関与が明らかになった。
検察によると、犯行は事件の数カ月前から計画され、同年6月にブラジル人2人が名古屋市内で2回にわたって男性の誘拐を図ったもののいずれも失敗に終わり、同年8月、両容疑者を含むさらに4人のブラジル人が犯行グループに加わったという。
事件当日の夜、土木作業員に変装した両容疑者を含む5人は、被害者の自宅付近で待ち伏せし、現れた男性にゴルフクラブなどで殴りかかり、発砲した。
犯行グループは男性の死亡を確認した後、男性が所持していた現金約160万円を奪い、盗んだドラム缶に遺体を入れコンクリート詰めにして、滋賀県彦根市の宇曽川に沈めたとされる。
検察によると、日本の警察は変装に使われた作業服が購入された店を突き止め、犯人グループの写真を入手。被害者男性は暴力団と関わりがあり、犯行グループの一人の日本人と金銭トラブルを抱えていたことが明らかになった。