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ブラジル・アルゼンチン首脳会談開催される=貿易政策で共同歩調を確認

ブラジルのテメル大統領(左)とアルゼンチンのマクリ大統領(中央)(Marcos Brandão/Agência Senado)

ブラジルのテメル大統領(左)とアルゼンチンのマクリ大統領(中央)(Marcos Brandão/Agência Senado)

 テメル大統領(民主運動党・PMDB)は7日、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領を首都ブラジリアに迎え、首脳会談を行ったと7、8日付現地紙・サイトが報じた。
 テメル大統領は、会談後の会見で「ブラジル・アルゼンチン両国間にはタブーは存在しない事が明確になった。両国間の問題は、どれほど込み入ったものであろうとも、真摯な対話をもって解決される」とし、両国の協力体制を推進し、両国が主導する南米共同市場(メルコスル)がEUとの通商関係を拡大していくことを目指すと語った。
 マクリ大統領は会談前日、ブラジル・アルゼンチン両国の貿易不均衡を懸念しているとブラジル記者団に語っていた。
 ブラジルからアルゼンチンへの輸出超過は数年続いており、2016年のアルゼンチンのブラジルに対する貿易赤字は43億ドルだった。
 ブラジルの民間業者は、アルゼンチンが輸入の際に障壁を設けていることに不満を抱いている。アルゼンチンへの輸出の際に政府の許可が必要となる品目数は、昨年末にさらに増えている。
 マクリ大統領は、メルコスルが現在の国際政治情勢、特に米国のトランプ大統領がメキシコからの輸入品全てに20%の関税を課す方針であることを利用して、メキシコやチリ、ペルー、コロンビアの太平洋同盟諸国とのつながりを深めるべきとも語った。
 トランプ大統領は、関税による収入を財源として、メキシコとの国境に壁を作る意向だ。この政策により、メキシコがラテンアメリカとの通商関係を優先するようになる可能性がある。
 マクリ大統領はさらに「ブラジル・アルゼンチン両国のライバル関係はスポーツだけにとどめて、経済においては友人として、進んでいかなくてはいけない」と語り、EUとの通商関係、両国間の通商関係を深めていくことを望んだ。
 両大統領は会談後、「国境防衛と外交協力、及び、保健衛生や植物検疫障壁軽減のための二国間機関設立の覚書」に署名した。