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《ブラジル》最高裁メンデス判事がモロ判事の方針を批判=「拘留期間が長すぎる」=クーニャの釈放審理前日に=今後の捜査にも影響するか

ジウマール・メンデス判事(TSE)

ジウマール・メンデス判事(TSE)

 ブラジル連邦最高裁のジウマール・メンデス判事が7日、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事がラヴァ・ジャット作戦(LJ)で逮捕を命じた容疑者や被告の拘留期間が長すぎると批判した。これは、前下院議長のエドゥアルド・クーニャ被告からの釈放要請を最高裁で審理する前日の発言だっただけに、注目を集めた。8日付フォーリャ紙が報じている。

 メンデス判事は7日に最高裁第2班で行われた会議中、モロ判事が行っている予防拘禁は「判例に反する」と批判した。
 予防拘禁は、容疑者が同じまたは別の触法行為を犯す可能性や捜査を妨害する可能性、逃亡の可能性などがある時に適用される、通常、「逮捕」とだけ表現した場合はこちらにあたり、原則5日間で延長もありうる「一時逮捕」とは異なる。
 モロ判事は、14年3月以降、第37弾まで進んだLJでの逮捕者170人中、79人に拘留期限を設けない予防拘禁を適用している。
 LJの場合の予防拘禁は、容疑者から報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を取ろうとして長期化する傾向も見られる。延長が数カ月に及ぶ容疑者や被告も珍しくなく、現在も21人が拘留されているが、全被告に占める割合は8%、未決状態で拘留されているのは3%の8人のみだ。
 その中のひとりは昨年11月に逮捕されたクーニャ被告で、クーニャ氏は昨年12月、最高裁に対し、釈放を求める訴訟を起こしている。
 この訴訟は、当時のLJ担当報告官だったテオリ・ザヴァスキ判事により、同判事が所属している第2班ではなく、最高裁全体で審理すると決められており、それが8日に行われる。つまり、メンデス判事の発言は、その審理の前日に行われたことになる。
 これまで、クーニャ被告が最高裁に対して起こしてきた訴訟は、昨年5月の下院議長停職処分なども含め、クーニャ氏を支持する判事票が1票も入らない惨敗状態が続いており、メンデス判事のこの発言が有利に働くとは限らない。
 だが、メンデス判事は、労働者党(PT)絡みの裁判では厳しい発言をするものの、現在の連立与党の政治家に関しては甘い発言も目立っているため、今後、他の政治家で同様のケースが起きた場合にどう影響するかは注目される。
 また、モロ判事は、予防拘禁以外にも、197人に対して強制連行の上で供述を取る方法を適用しており、そこも時折、批判の対象となってきた。とりわけPTは、昨年3月4日にルーラ元大統領が強制連行された件を不服とし、最高裁に異議を申し立ている。この件に関しては、6日にロドリゴ・ジャノー検察庁長官が、モロ判事の強制連行命令を支持する意見書を提出している。