ブラジル保健省は9日、黄熱病が疑われるケース1112件中、221人が黄熱病で、89人が黄熱病ではない事を確認、802人はまだ調査中である事を発表した。9日付現地サイトが報じた。
黄熱病感染が確認された221人の内、76人は既に死亡している。この76人以外にも、黄熱病が原因で死亡した疑いが持たれて検査中のケースが92ある。黄熱病が原因で死亡した疑いがあった死者の内3人は、検査の結果、黄熱病ではなかったことが判明している。
州別で見ると、黄熱病が流行状態となっているミナス・ジェライス州が、依然突出しており、感染者は死者67人を含む196人となった。エスピリトサント州では死者6人を含む21人、サンパウロ州では死者3人を含む4人の感染が確認されている。
黄熱病が疑われるケースは、トカンチンス州、バイーア州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州でも報告されているが、9日の時点では、黄熱病への感染が確認された患者は出ていない。
一方、サンパウロ州政府は今年だけではなく、今後も起こりうる黄熱病の危機から長期計画でサンパウロ州民を守るべく対策を始めた。
サンパウロ州はカンピーナス市やサンパウロ市など、現在黄熱病の危険が叫ばれていない地域にも黄熱病ワクチン接種を段階的に進め、最終的には、子供も含めた州民全員への予防接種を徹底する意向だ。
サンパウロ州保健局疾病統制局コーディネーターのマルコス・ボウロ氏は、「現在の最優先課題は、ミナス州との州境近辺で、感染の危険がある地域の住民を守ることだ」と語った。
同氏は、今回の黄熱病の災禍は収束までに2カ月かかると見ている。
州保健局では、サンパウロ州の人口4300万人の内、2千万人が黄熱病の予防接種を受けていないと見ている。