サンパウロ株式指数(Ibovespa)は15日、前日比で1・89%上昇し、12年3月以来の高値となる6万7975・58ポイントで引け、ブラジル金融市場は陶酔感に包まれたと、16日付現地紙が報じた。
ブラジル株は14日に若干の減少を記録するまで、5営業日連続で伸びていた。Ibovespaはこの1年間で69・55%上昇している。
それに対し、ドル/レアル相場は、前日比1・08%ドル安の1ドル=3・0605レアルと、15年6月18日以来の安値をつけた。
投資顧問会社テンデンシアス社のグスタヴォ・ロヨラ氏は、この傾向は、市場関係者たちが、テメル政権の進める年金制度と労働法の改革が実現すると見ていることなどの現れだとした。
同氏は「株価は往々にして、実体経済を先取りした値動きをする。株価が好調なことは、必ずしも、実体経済が追いついてくることを意味しないが、今後の景気回復の予兆と言えなくもない」と語り、「外国人投資家は良い時を迎えている。ブラジルの金利はまだまだ高く、今後下がったとしても、それはブラジル国内の景気の回復をもたらす。今の株高を支えているのは国外の投資家たちだ」とした。
米国ピーターソン国際経済研究所のブラジル人研究員モニカ・デ・ボッレ氏は、「今の株高は〃夏の夢〃のようなもので、政府はこの好況を確固たるものになるためにすべきことを実行する時間がない。この株高は2月末のカーニバルが終わるまでもたないだろう」と見ている。
16日午後5時半現在のIbovespaは、前日比0・32%減の6万7791・06ポイントだった。