ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が15日、2015年までに文盲率を50%下げるという目標を達成できていない国が139カ国中100カ国あり、ブラジルもその中に入っている事を明らかにしたと16日付現地紙サイトが報じた。
大人の文盲率半減は2000年に始まった全人教育計画の4番目の目標だ。同計画の対象は195の国連参加国・地域全てだが、ユネスコにデータを寄せたのは139カ国、目標を達成できたのは28%に当たる39カ国のみだった。
ユネスコによると、15年には、簡単な文さえ読めないし書けないという人が世界中で7億5800万人いた。15~24歳の若者は1億1500万人、それ以上の年齢の人は6億4300万人というから、大人で識字力のない人の85%は、通常の学校教育を受けられる時期を既に過ぎており、識字力向上はより困難といえる。
データを寄せた国の85%は識字教育を成人教育の最優先事項としているといい、識字率の改善は困難な事がうかがわれる。また、46%は、投資のあり方が不適切な事が成人の識字教育を妨げる事や、教育の有無が各人の健康や労働環境、社会統合、快適な生活などに大きな影響を与える事を認めている。
ブラジルには15年に文盲と見なされた成人が1300万人おり、必要な投資を行ってこなかった国の一つとされた。
連邦政府は、今年は成人教育のための枠を倍にしたというが、成人教育プログラムに登録した人の数は、13年以降、減少傾向にあり、政府予算も昨年より少ない。
幼少時から家計を助けて働いたために学校に行けず、成人教育プログラムに登録したが、資金不足で学校が閉鎖されたりして、識字教育が継続できないという例も多い。
ブラジルの成人の文盲は成人人口の8%だが、マラニョン州は成人人口の19%相当の90万人、ピアウイ州にも50万人など、地域格差も大きい。
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