ブラジル政財界にはびこる汚職捜査ラヴァ・ジャット(LJ)作戦にちなんだ観光ツアーが、同作戦を担当するパラナ州地裁のあるクリチーバで始まった。
観光客は、クリチーバ市内の連邦検察庁同州支部、連邦裁判所、連邦警察署から、エドゥアルド・クーニャ元下院議長やジョゼ・ジウセウ元官房長官など、大物被告が拘束されている医療刑務所などを巡る。
ツアーの行程は各建物を外側から眺めるだけに限られており、取り調べ室の内部は見学できないが、参加者たちは、このツアーを通じて、これまではTVなどで見ていただけのLJ作戦を、別の視点でとらえられるようになると考えている。
ツアーガイドは、行程の中でLJの詳細や、パラナ州地裁判事で、今や国民的人気のセルジオ・モーロ判事の日常などを参加者に伝える。さらには、LJ作戦特命検事たちを紹介する写真や、連邦警察署内の拘置所や医療刑務所の房を描いたスケッチ(写真は許可されないため)の入った注解書も配られる。
ツアー一番の見所は、セルジオ・モーロ判事が勤務する連邦裁判所だ。参加したローザ・マゼッチさんは、同裁判所の前で、大きな感動に包まれた。彼女は、政界の大物にも怯まず立ち向かうセルジオ・モーロ判事を息子のように思っているという。「ここに立っていると、一人の勇敢な人物を心から賞賛しているような気持ちになるの」と語った。
このツアーは既にブラジル国外でも有名になっている。15日には中国の国営放送がツアーの様子を撮影した。中国人特派員は「取材の目的は、通常の取材とは異なったアプローチでLJ作戦の表情を伝えることだ」と語った。
ツアーの定員は10人で毎日2回催行される。費用は1人あたり375レアル(1万3500円相当)となっている。(17日付グローボラジオ・CBNサイトより)