ブラジル法務省は20日、南部のリオ・グランデ・ド・スル州、北東部のリオ・グランデ・ド・ノルテ州とセルジッペ州への国家治安維持部隊派遣を承認したと同日付現地サイトが報じた。
今回の派遣は、今年に入ってからアマゾナス州都マナウスなど、複数の州で刑務所内暴動が続発し、100人以上の囚人が死亡したのを受け、1月中旬にブラジル連邦政府が策定した国家公共保安計画に基づくものだ。
前記3州の州都は、国家公共保安計画の第一弾として、国家治安維持部隊の派遣先に選ばれた。国家治安維持部隊は当面、180日を期限として活動し、巡回警備や犯罪捜査、被疑者検挙、科学捜査などを行う。派遣期間は延長される可能性もある。3州への国家治安維持部隊派遣は、連邦政府が20日付官報に記載した。
国家治安維持部隊の派遣の目的は、通常の殺人や女性を標的とした殺人・暴力の抑止、刑務所機構の合理化と近代化、ならびに、武器や薬物の国際的な密輸や刑務所内外での抗争といった組織的犯罪の撲滅だ。
国家公共保安計画では、各州州都の殺人発生率を今年中に7・5%下げることを目標としており、18年からは各州都周辺の計200市にもこの目標が適用される。
同計画では連警や国道警察、軍警、市警、州警察の諜報部と、国や州の刑務所内諜報部を統合した諜報組織創設と、リアルタイムでの犯罪地図作成なども予定されている。
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