2月4日の軍警スト開始以来、10日間で143件の殺人事件が発生するなど、著しく治安が悪化していたエスピリトサント州で、28市がカーニバルの公式行事を中止したと21日付G1サイトが報じた。
軍警の妻や親族が大隊前で抗議行動を行い、軍警が大隊から出られなくなるという形のストで、同州の治安は悪化。多くの町で、殺人や強盗、商店略奪、バス焼き討ちなどが起きた。
州政府の要請で軍や国家治安維持部隊が派遣され、軍警も大半が勤務に戻るなど、同州内の治安はかなり改善した。州都のヴィトリア市では18日、カーニバルの公式行事の1週間前に行われるのが恒例のスペシャルグループによるサンバパレードも行われた。
だが、そのヴィトリア市でも、一時、カーニバルのイベント延期の話が出るなど、治安回復は万全とは言えない。
事実、州保安局長のアンドレ・ガルシア氏やその家族は今も脅迫を受けており、連邦警察が捜査を行っている。また、一部の軍警大隊前では抗議行動が続いており、スト開始から20日朝までの同州内の殺人犠牲者は176人に増えている。
同州の殺人事件発生率は全国でも上位に入り、20日にはヴィトリア市を含む3州の州都に、国家公共保安計画の第1弾としての国家治安維持部隊派遣も承認された。
こういった状況下、治安上の理由でカーニバル中止を決めた市は、20日現在で28市。その他にも、財政危機でイベントを中止した市や、治安確保のために時間や日付を変更した市もある。
一方、22日付フォーリャ紙によれば、財政危機故にカーニバル中止または規模縮小という自治体は、サンパウロ州、リオ州、ミナス州、バイア州、パラナ州、ペルナンブコ州など、少なくとも13州で報告されている。
サンパウロ州内陸部のサンルイス・ド・パライチンガ市もその一つで、昨年の経費の一部が未払いである事や、医療その他のサービスが充分に提供できていない事などから、伝統的な行事中止を決めた。
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