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サンパウロ市=麻薬中毒者と軍警が衝突=催涙ガス弾やゴム弾飛び交い、ジャーナリストが負傷

 サンパウロの中心部、ジュリオ・プレステス駅周辺で、薬物中毒者が集中するエリア、通称〃クラコランジア〃で23日昼過ぎ、軍警の機動隊と薬物中毒者たちの抗争が起きた。
 軍警によると、同日の混乱は、軍警が麻薬密売者らしき男性2人を取り押さえて職務質問などをしようとしたために生じたという。同市保安局が出した文書によると、その様子を見て、300人ほどが周囲にたかり、ゴミに火をつけたり、軍警に石などを投げ付けたりし始めたため、軌道隊も派遣されたという。
 地元TVのニュースでは、盾で身を守った機動隊員が催涙ガス弾やゴム弾を薬物中毒者に向けて発射する様子や、薬物中毒者たちが投石や棒などを振り回すなどして反撃する様子などを伝えた。
 薬物中毒者たちはさらに、機動隊員の進行を防ぐために、エウヴェチア通りにごみやガラクタを積み上げてバリケードに築き、火をつけるなどの行為にも出た。サンパウロ市警備隊も作戦に参加し、投石を受けながらも消火活動を行った。
 掃討作戦実行中、様子を取材していたフォトジャーナリストが2人負傷した。その内の1人は「ポケットに入れていた携帯電話が壊れたが、携帯電話のおかげで怪我の程度は軽くて済んだ」と仲間に伝えている。彼らがどういった経緯で負傷したかは、充分には確認されていない。
 警察の一団は午後2時ごろ、一旦引いたが、薬物中毒者たちと口論になり、再び催涙ガス弾とゴム弾を発射した。
 サンパウロ市社会開発支援局長のソニーニャ・フランシーニ氏はツイッターに、「エウヴェチア通りのテントに催涙ガス弾を投げ込んだ行為は容認できない。軍警介入の理由が何であれ、今回の行為は常軌を逸している」と、警察の行為を批判する文章を投稿した。
 午後3時ごろには現場の緊張も収まり、警官と薬物中毒者が仲間同士で談笑する様子も見られるようになった。また、警官もエウヴェチア通りとリオ・ブランコ通りの角まで退いた。(23日付G1サイトより)