ホーム | ビジネスニュース | 《ブラジル》労働市場は17年前半も厳しさ続く?=1月の失業率は12・6%に

《ブラジル》労働市場は17年前半も厳しさ続く?=1月の失業率は12・6%に

 ブラジル地理統計院(IBGE)が24日、16年11月~17年1月の失業率は12・6%で、1290万人が失職中と発表したと同日付現地紙サイトが報じた。
 この数字は16年8~10月の11・8%より7・3%、前年同期の9・5%より34・3%高く、12年の統計開始以来、最高となった。
 23日に発表された16年末現在の失業率は12%だから、今年に入っても労働環境は厳しい。IBGEは、失業率改善は今年後半と見ている。
 24日付現地紙が23日の発表を基にまとめた記事によると、四半期毎に見た失業率は依然として右肩上がりだ。特に厳しいのは14~17歳と18~24歳の若者で、失業率が39・7%と25・9%に達した。25~39歳は11・2%、40~59歳は6・9%、60歳以上は3・4%だった。
 肌の色別の失業率は、黒人と褐色(混血)の14・4%と14・1%に対し、白人は9・5%。全体の平均所得は2043レアルだが、黒人と褐色の平均所得は1461レアルと1480レアルで、ここでもブラジル人の2660レアルとの差が大きい。これは、黒人や褐色の労働者が多い建築業などが不況のあおりで数多く解雇した事や、学歴による職種の違いなどを反映している。
 IBGEは、働く気はあるがいつまでも就職できず、探すのをあきらめた人が増えている事も指摘。16年末現在の失業者1170万人中、446万9千人は1年以上職を探しており、2年以上失業状態の人も230万5千人いる。
 働きたいが就職をあきらめた人と失職中の人、週40時間以上働ける職場を望んでもそれ以下の仕事しかない人の総計は22%で、15年末の17・3%や16年9月末の21・2%よりも増えた。言い換えれば、これらの人を全て吸収するには243万人分の職場が必要という事になる。
 14州と連邦直轄区では16年第4四半期の失業率が史上最高を記録。地域別では北東部16・5%、北部16%、南東部13・8%、中西部13・2%で、平均以下は南部のみだった。