ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で19年4カ月の実刑判決を受けている建設最大手オデブレヒト元社長のマルセロ・オデブレヒト被告が1日、選挙高等裁判所(TSE)で行った、2014年の大統領選の際、ジウマ氏(正)とテメル氏(副)のシャッパに1億5千万レアル払ったが、その80%(1億2千万レアル)は裏金だったとの供述内容がマスコミに漏洩し、2日付現地紙で報じられている。
今回のTSEでの供述は、同年の大統領選では2位に甘んじた対立候補で、同シャッパの当選無効を唱えるアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)の訴えを受けて実現した。
マルセロ被告によると、14年の大統領選では、ジウマ氏とテメル氏のシャッパに1億5千万レアルを払ったが、その80%は裏金だったという。また、労働者党(PT)選挙参謀だったジョアン・サンタナ被告への金は、大部分が現金で支払われたとも語った。
同被告によると、このうちの5千レアルは、2009年に議会に提出された滞納税回収計画(REFIS)に関する暫定令(MP)承認への謝礼だという。オデブレヒトとペトロブラスの合資会社であるブラスケンは同MPで恩恵を被った。
マルセロ被告は、14年選挙で、テメル副大統領(当時)が民主運動党(PMDB)に1千万レアルの資金協力を要請したことも認めたが、実際の話は、エリゼウ・パジーリャ氏(現・官房長官)とオデブレヒトのクラウジオ・メロ・フィーリョ被告の間で正式に詰められたとしている。
また、PTへの金に関しては、同党の選挙参謀だったジョアン・サンタナ被告や当時財相だったギド・マンテガ氏と直接話し合ったという。マンテガ氏もオデブレヒト社の賄賂分配表に名前が載っており、LJでも一度逮捕されかけた。
マルセロ被告は、ジウマ大統領(当時)に関しても、メキシコで会った際に「サンタナ氏に支払われる金はオフショアを介したもので、汚職でまみれた金だと伝えてあった」と語った。また、14年選挙で他党の協力を得るための資金として、ジウマ氏のシャッパに3千万レアルの裏金を払ったことも明かした。
同被告によると、PT政権との関係は、2008年の地方選でサンタナ被告が参謀を務めた市長らへの裏金調達依頼が最初だったという。マルセロ被告は、選挙時の二重帳簿はある意味で常識だが、裏金の一部は賄賂でもあったことを認めた。
マルセロ被告はこの供述の席で、「政府からの恩恵を得ようとして賄賂を払ったのはオデブレヒトだけではない」とし、ロビー活動を正当化すると共に、他の企業の関与をにおわせた。
ジウマ―テメルのシャッパに対しては、アンドラーデ・グチエレス社や他の3社が不正献金を行っていたとの疑惑が既に浮上している。
なお、マルセロ被告の供述内容は報奨付供述と同じで、本来は検察からの捜査開始請求などが出るまでは伏せておかれるべきものだが、今回の公判でマスコミに漏れ、問題視されている。