1980年以降では最悪という黄熱病流行が続くブラジルで、大学構内でのサルの死体発見や大都市圏での死者確認など、市街地での感染の可能性を示す報道が続いている。
大学構内でサルの死体が発見されたのは、エスピリトサント州(ES)ヴィトリア市の連邦大学だ。2日付G1サイトなどによると、黄熱病に関する研究を行っている教授が2日の朝見つけた死体は既に腐敗が進んでおり、死因確定は困難だという。また、構内の印刷所脇で見つかった死体は同教授が到着する前に回収されており、黄熱病感染の有無が確認出来ずにいるという。
他方、2月24日付G1サイトなどは、ミナス州保健局が同日、エスメラウダス市でベロ・オリゾンテ大都市圏初の黄熱病による死者が確認されたと発表したと報じた。
市街地での死者確認は、農村部や森林で蚊に刺されて起きていた黄熱病感染が、市街地にも広がる可能性を示す。市街地にはデング熱やチクングニア熱、ジカ熱も媒介するネッタイシマカがいるため、専門家は感染の広がりを恐れている。
2日現在の全国の黄熱病感染者は死者113人を含む352人。死者224人を含む915人は感染の有無を確認中だ。
一方、3日付エスタード紙などは、サンパウロ州内陸部で、黄熱病の感染拡大を恐れる人々が、サルを殺している可能性が強いと報じた。今年に入り、25頭のサルの死体が発見されているサンジョゼ・ド・リオ・プレットは一例で、15頭は投石や殴打が原因で死亡。4頭は絞殺、1頭は焼殺されていた。同市で見つかった死体で黄熱病に感染していたのは1頭のみだった。
野生のサルは黄熱病ウイルスを宿している可能性があり、同病に感染したサルを刺した蚊が人間を刺せば黄熱病感染が起こりうるが、専門家はサルが黄熱病を移す訳ではないと明言している。