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ブラジル出版界=書店の売上が8・6%減少=アマゾン台頭と不況の二重苦

 景気の落ち込みと、米国アマゾン社に代表される、インターネットで注文すると、自宅まで配送してくれるオンライン書店の台頭で、ブラジル国内の書店が苦境に立たされていると、6日付エスタード紙が報じた。
 2016年、国内書店の売上は前年比8・9%のマイナスとなり、出版各社の苦境と共に、既存書店が強大な対アマゾン対策を強いられることが浮き彫りとなった。
 売上の減少は、近年は大型ショッピングセンターの開業に付随する形で店舗の拡大を続けてきた、大手書店の経営を悪化させた。
 現在の本の平均価格は38・66レアルで、過去2年間で15%上昇した。しかしながら、消費者の購買力が低下していることもあり、書店は平均17・9%の割引を行っている。割引後の平均価格は31・74レだ。「本の原価は上がっているのに、売上はそれに伴って上がってこない」と、マルコス・ペレイラ全ブラジル出版社組合会長は語っている。
 出版社側からは、「出版社への支払いを半年も遅らせている書店さえある。これ以上の遅れには耐え切れない」との声も聞こえているが、大手書店チェーン、リヴラリア・クルツーラの創業者にして、同社経営審議会議長のペドロ・ヘルツ氏は、支払い期限の延長交渉はしたが、支払いの遅れはないと語っている。
 米国のアマゾン社がブラジル国内でのインターネット書籍販売事業を始めたのは、既存の書店の売上が下がり始めた2年前だ。
 アマゾン社は、従来の書店のような委託販売の形はとらず、書籍を買い取るため、出版社には喜ばれている。大手出版社の一つは、アマゾンを介した販売実績は全体の1割に達したと語り、他の出版社も、昨年のアマゾンでの売上は70%伸びたと語っている。