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 本面7日付「サントス=旧街道下りで歴史と自然堪能=リベルダーデ歩こう友の会」記事中、《ピンクと白のマナカの花が咲き乱れる海岸山脈》という記述があったのに対し、当日の参加者の一人から「ただしくはクァレズマ」との指摘を受けた。マナカとクァレズマは非常に似た外見を持つ花だが、前者は「春」、後者は「秋」に咲く特徴がある。その参加者から「俳句を詠む人が海岸山脈に見に行って、間違った季語を入れた作品を作ったら困る」との主張を聞き、訂正をだすことになった。今は秋なので、海岸山脈の咲き乱れているのはクァレズマ(別名「山マナカ」)の方。俳句を詠む人は注意を。
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 俳誌『朝蔭』448号が2月に発行された。マナウス在住の東比呂さんによる《星月夜アマゾン川は音もなく》。「星月夜」なら「天の川」かと思ったら「アマゾン川」という意外性が面白い。音もなく熱帯雨林を流れる大河の、川面に映る星々が目に浮かぶよう。サンパウロ市在住の寺澤哲子さんの《お袋の雑煮が一番と言う息子》《書初に実相と書きし父なりき》《ただ一字母の書初愛とあり》は信仰を持つ家庭の温かみが伝わってくる連作か。《蝌蚪の群散らばり音譜の如並び》(杉本絃一)の蝌蚪は「おたまじゃくじ」の別名。《野の花を活けてふさはし入植祭》(黒沢志賀子)の作者はグアタパラ在住と聞き、納得。たくましく、誇り高き入植者の作品だ。