【既報関連】民主運動党(PMDB)のヴァウジール・ラウプ上院議員が、選挙時の献金の内容を疑問視されてラヴァ・ジャット作戦(LJ)の被告になったことで、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)をはじめとした政治家が強い反発を示している。9日付現地紙が報じている。
昨日付本紙でも報じた通り、ラウプ氏は7日、2010年の上院議員選の際にケイロス・ガルヴォン社(QG社)から受けた献金50万レアルが同社からの賄賂だったと判断され、最高裁第2班での投票結果、被告の扱いとなった。
この献金は、かつてからLJで問題視されていた裏口座(カイシャ2)ではなく、カイシャ1と呼ばれる正式な口座に支払われたものだ。選挙裁判所への会計報告には選挙献金として記述されており、会計報告も承認されていた。だが、QG社の被告が報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)で「あれは賄賂だった」と証言して以来、疑惑が強まり、収賄罪に問われていた。
この最高裁の判断後、議会内で、最高裁が選挙献金を全て犯罪と結び付けようとしているとの懸念が広がりはじめた。
労働者党(PT)下院リーダーのカルロス・ザラッチーニ下議は、「最高裁が合法献金を賄賂と判断し、同上議を被告としたことはあまりに重い」と嘆いた。
さらにダニエル・アルメイダ下議(ブラジル共産党・PCdoB)は「これは狂気の沙汰だ。正規の会計までが疑われるなら、何が信じられるというのか」と強い不満を語っている。
14年大統領選2位のアエシオ・ネーヴェス上議に至っては、カイシャ2も含めた選挙献金を擁護する発言を行った。
アエシオ氏は7日夜、ブラジリアで開かれた、ジャーナリストのリカルド・ノブラ氏を祝う夕食会で、急進左派の社会主義自由党(PSOL)のシコ・アレンカール下議を相手に、「ペトロブラスの契約を悪用した賄賂で私腹を肥やした連中と、選挙のための献金が同じような罪として扱われるのはありえない」「ブラジルの政治を守らなくてはならない」と発言したという。
アエシオ氏自身、LJのデラソンで疑惑を言及されている政治家のひとりだ。連邦検察庁は現在、昨年12月に行われたオデブレヒト社の関係者77人のデラソンを基に、最高裁への捜査開始請求のための対象者リストを作成している最中だけに、今回の最高裁の判断は影響力が大きい。
最高裁の判事たちは7日、「合法的とされた政治献金でも、その内容に疑惑の証言があれば調べる必要は生じる」と判断している。
一方、刑法学者の中には、「報奨付供述の中身をしっかり確認して、デラソンの言いなりだけにならないよう注意する必要もある」との見方を示す人たちもいる。