来年に迫った移民110周年を前に、パラナ州では1月末にあったパラナ日伯文化連合会の総会の機に110周年実行委員会が発足し、西森ルイス連邦下議が「祭典委員長」に就任した。式典に向け着実に準備を進める西森さんが9日来社した折り、同委員会の構成員や皇室招待の可能性について聞いてみた。
西森下議は1月に祭典委員長に就任後、「さっそくミシェル・テメル大統領に交渉し、『名誉祭典実行委員長』への就任を承諾してもらった」と報告した。他にも、佐藤悟日本国全権大使、ベト・リッシャパラナ州知事にも「名誉実行委員長」を依頼し、了解をもらっているという。
スピード感のあるこの動きは、パラナ州ならではだ。
「パラナ日伯文化連合会の全メンバーも実行委員会に入会し、実行委員は全員そろった。組織は万全の状態」と微笑んだ。「あとはどういった企画を進めるか」と構想の一部を語った。
今回は日系社会を担う人材育成のため、『次世代への継承』をテーマに祭典の準備をするという。日本とのビジネスに興味がある若い層をまきこみ、経済における二国間関係を盛り上げる流れを考えている。
「20~30代の四世は、日本文化や経営方法を学びたがっている」と日系の若者の動向を見ており、日本に研修生を送って帰伯後にその経験を活かした起業の手伝いをするアイデアを練っている。「日本政府と交渉して日本人企業家を招待し、サンパウロ市やクリチバで若者を集めて講演会を開催したい」との展望も語った。
資金集めもかねてロンドリーナ、マリンガなどでの『移民祭り』開催を企画している。日系企業の車や農産物等の展示、日本人歌手のコンサート等を行い「日系人を中心として、珍しい日本のものや文化を見せたい」という方向性だ。
記念式典は前回と同じくローランジアで開催予定。「大きな節目であり、皇室の方もぜひお迎えしたい。3月に経済親善使節団を連れて訪日する折にも、麻生太郎副総理、河村建夫議員に直接会ってお願いしたいと思っている。難しそうだが、チャンスは常にある」と、日本語で熱っぽく期待の言葉を口にした。
サンパウロ州記念式典が県連日本祭り会場で7月に開催される可能性があることを伝えると、西森下議は「素晴らしい案。こちらも日程を合わせ、一緒に開催を目指したい」と同時期開催の可能性を示した。
なおサンパウロ州の110周年実行委員会は菊地義治さんが実行委員長に決まったのみで、組織としてはまだ正式発足しておらず、事業概要も公には発表されていない。