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《ブラジル》シャペコエンセ搭乗機墜落事故その後=共に痛みに向き合う遺族=チームに賠償金の増額を訴える妻も=「我々も被害者」とチーム副会長

昨年12月のチーム合同追悼式で、選手の遺影を持った遺族たち(Julio Cavalheiro/Secom)

昨年12月のチーム合同追悼式で、選手の遺影を持った遺族たち(Julio Cavalheiro/Secom)

 昨年11月末にコロンビアで発生した、サンタカタリーナ州のサッカーチーム「シャペコエンセ」の搭乗機墜落事故。総勢71人の犠牲者が出たこの事故では、選手も19人死亡した。
 亡くなった選手の妻たちが連帯して哀しみに立ち向かっている様子や、チームに賠償金増額を求めて訴えを起こしている様子を10日付現地紙が報じた。
 墜落事故で夫を失った妻たちは、米国旅行、朝の散歩、ジムでのトレーニング、福音派教会での礼拝への参加、法的解決への模索、子育てへの傾注などで、事故から立ち直ろうとしている。
 妻たちはこれまでに、チームとCBFから選手たちの給与2年分を受け取った。今のところはお金に困ってはいないが、それもいつか尽きると分かっている。
 ブルーノ・ランジェルとジウの妻で、幼い子供を抱えて未亡人となったジルレーニ・ドミンゲスさんとヴァウデシア・パイヴァさんは、子供のケアを最優先している。
 亡くなったデネルの恋人で、事故の3日後に結婚するはずだったアマンダ・マシャドさんは、生前、デネルと共に計画していた、ブリガデイロ製造会社を設立した。
 アナニアスの妻バルバラ・モンテイロさんは、朝の散歩やジムに通うことで時間をやり過ごし、ジルレーニさんとの旅行にも出かけた。「事故のショックから抜け出すのは容易ではないわ。気分がましな日もあれば、ふさぎこむ日もある。心の痛みを生きる力に変えなきゃ」と語る。
 ジウの妻、ヴァウデシア・パイヴァさんら少なくとも5人の妻が、チームからの賠償金に、出来高契約による賞与と、肖像権料も含めることを求めて、労働裁判所に訴えを出した。
 弁護士フェルナンド・マルチンス氏によると、妻たちの訴えは全て一つの論拠に基づいている。それは、「選手たちは、所属チーム、シャペコエンセが責任を負うべき、移動中に亡くなった。その移動は、事故の本質的要素の一つである」というもので、同調者が現れる事も予想される。
 シャペコエンセ法務部門副会長のルイス・パラオーロ氏は「遺族の苦痛は解るが、払うべきものは払っている。チームも被害者だ。チームが選手たちの危機を高めたわけではない」と語った。
 チームはまた、遺族支援の義援金として集った資金から、生存者4人も含む、チーム関係の被害者64人の家族に、4万レアルずつを支払ったことを9日に発表した。