ロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官がラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関して、昨年12月に行われたオデブレヒト社の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に基づいた捜査開始要請を連邦最高裁に出すのは今週始めで、秒読み状態と見られている。同長官が要請する捜査件数は80件ほどになる見込みだ。13日付現地紙が報じている。
オデブレヒト社との司法取引は1月30日に最高裁のカルメン・ルシア長官が承認しており、検察庁が改めてデラソンの内容を検証し、今後の捜査をどう進めるかを話し合ってきた。
オデブレヒト社の関係者77人の供述は950件に及び、その中で名前をあげられた政治家は約200人いたという。
情報によると、政治家の中には現テメル政権の閣僚をはじめ、上院、下院の議員、知事、元知事といった諸々の政治家が含まれているという。
今回は、その内容に基づき、約80件の捜査開始要請が出されると、マスコミは見ている。
「80件」は捜査件数で、1人の政治家が複数の捜査の対象となる可能性がある一方、1件で複数の政治家を対象とする可能性もある。このため、実際に捜査の対象となる政治家の数は定かではない。
また、今回提出される捜査開始要請により、これまでに提出されていた捜査開始要請に新たな捜査が加わることになる。今回の要請には、デラソンの情報の開示要請も含まれている。また、オデブレヒト社のデラソンに基づく捜査開始要請が今後も続く可能性も残っている。
ジャノー長官による捜査開始要請は、最高裁のLJ報告官であるエジソン・ファキン判事に手渡され、同判事が、それぞれの捜査毎に、許可を出すか否かを決める。また、これらの捜査に関する情報を解禁するか否かの判断もファキン判事が握っている。
さらに、現在は要職についていないため、「最高裁でのみ裁判が行われる」という特権(フォロ・プリヴィレジアード)が認められない政治家の裁判は、パラナ州連邦地裁などとなる可能性も高いが、その判断も同判事が行うこととなる。
なお、既に報道されている記事には、オデブレヒト関係者が米国司法当局に、「オデブレヒトとブラスケン社が国外12カ国で、賄賂として10億ドルを支払った」などと話したとの供述に関するものも出ているが、これら国外での贈賄疑惑は今回のものには含まれず、6月以降に取り扱われる見込みだという。
いずれにせよ、この捜査開始要請を機に、LJでも過去最大級の政治家への捜査がはじまることは確実だ。