【既報関連】ブラジル民間航空監督庁(Anac)は、航空各社が乗客からの機内預け荷物分の料金を別途徴収することを昨年12月に認めていた。
航空各社の言い分は、「機内預けの荷物がない、または少ない乗客は追加料金を払わなくて良いため、基本料金を下げることで、むしろ乗客は安く旅行できる可能性もある」というものだが、一般的には全く信じられていない。
サンパウロ市の第22連邦民事法廷のジョゼ・プレッセンド判事は13日、「同規定は乗客に選択の余地を与えるものではなく、ただ経済的に損失を与えるもの」として、機内預け料金徴収を禁ずる仮処分を出して差し止めた。Anacは10日に別の裁判所で、荷物料金別徴収は認められていると強調し、即刻控訴した。
機内預け荷物、別料金徴収以外の規定変更は14日から有効となった。
旅行をキャンセルした場合、従来は一律でキャンセル料がかかっていたのが、購入後24時間以内か旅行の7日前までならば無料でキャンセルできる。また、航空会社には空港使用料や税金などを購入前の旅行者に伝える義務がなく、購入後にそれを付加した料金を徴収できていたが、購入前の伝達が義務化された。
購入者名に誤りがあった場合、航空会社は無料での変更を拒否できていたが、変更に応じる事は義務となった。
航空便の出発時間が変更されても、航空会社は乗客に何の対応もする義務はなかったが、国内便で30分以上の出発時間変更が生じた場合に払い戻し義務が発生する。
ブラジル航空会社協会(Abear)は「今回の処置は航空業界を不安定にするもので、国際的な流れにも逆行している」と嘆く書面を出している。