5月初旬の開館を目指す日本政府の広報施設ジャパン・ハウスで15日午後、商工会議所の建設不動産部会が会員企業向けに内装見学会を開催した。白を基調とした広々とした内装が広がり、参加者らはビジネス機会を探るなど大きな関心を寄せた。未進出の企業にとっても、事前の市場調査といった活用ができそうだ。
一部の調理設備などを残し内装はほぼ完成した。白を基調とした目新しい空間が設けられ、フローリングの香りや高級感が漂う。正式な内部公開は来月28日の運営委員会後の解禁となるため写真掲載は見送ったが、ビジネスビルが立ち並ぶパウリスタ大通りの中でも一際、完成度の高い建物と言えそうだ。
3つのフロアはいずれも広々としていて、用途応じ遮音性に優れた間仕切りで空間を仕切る。一部には越前和紙やふすまが活用された。ふすまによって空間を仕切るという、日本人らしさが表現されたという。
また砂利で引き詰められた外土間、竹やぶがある一部の外観、玄関口のヒノキが、ブラジル人来場者にとって日本を感じさせる要素となりそうだ。
企業側にとっては物販エリアで自社製品を取り扱ったり、サロンで実演、展示イベントなどが開催できる。また会議や講演で部屋を賃借することも可能。早速賃料を質問する参加者もいたが、料金はまだ正式に確定していない。
既存の進出企業だけでなく、進出を検討中の日本企業にとっても良い機会となりそうだ。見学会に先立ちあいさつした平田アンジェラ事務局長は、「3社ほどと契約交渉をしている。進出の手助けとなれば」と明かした。JHで実際に商品を販売するなど、進出前の調査を行なうことができるという。
概要や設備案内のため約4分間のビデオが流された後、2班に分かれて内部を見学した。当初は各社2人の計30人までとしていたが、わずか半日で定員に達するほど関心が集ったという。そのため各社1人計40人までに変更された。
開設は5月初旬を目指す。開館時間は午前10時~午後10時(月曜休館)で調整している。
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ジャパンハウスの内部見学会が行なわれた15日には、同じ通りで反政府デモもあった。美術館MASPに向かうデモ参加者も大勢ハウス前を通ったが、警備がいたせいかヒノキの玄関によじ登る者はいなかった。開館を前に良い予行練習になったかも。
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またハウスには未進出の企業が物販エリアに登場する可能性がある。個人的には、これまで何度か進出の噂があった衣料品店ユニクロあたりが気になるところ。またJHプロデューサーの原研哉さんが携わる、生活雑貨店が出店するとかしないとか。基本は日本からの輸入品ばかりが並ぶことになるが、当地で障害なのが高関税だ。類似品がなければ関税は2%になるというが、「その調査が大変なのよ」と事務局。