世界188カ国・地域の開発レベルを評価する人間開発指数が21日に発表され、ブラジルの指数は0・754で79位と、指数、順位共に、昨年と同じ結果だったと21日付現地各紙サイトが報じた。
人間開発指数は0から1で評価され、開発レベルが高いほど、1に近づく。最も指数が高かったのはノルウエーの0・949で、オーストラリアとスイスが0・939で続く。ドイツやデンマークも0・926と0・925と高かったが、アフリカ中央部では0・352~0・396といった国もあった。
ブラジルの指数は2010年の0・724以降、常に向上してきたが、今回は足踏みとなった。それでも、ラ米・カリブ諸国の平均の0・751は若干上回った。Bricsの中でブラジルより上位にあるのはロシアの0・804だけで、中国と南アフリカ、インドは、0・738、0・666、0・624となっている。
今年発表された指数は2015年の資料を基に算定された。算定には保健衛生、教育、所得の諸データが用いられる。
ブラジルに関する主な項目を見ると、平均寿命は74・7歳で、前年より0・2年伸びた。1990年は65・3歳、2010年は73・3歳だった。
誕生時に期待される就学年数は、2010年から13年までの間に14年から15・2年に伸びたが、それ以降は不変だ。1990年は12・2年だった。
実際の平均就学年数は7・8年で、期待と現実のギャップが大きいが、それでも前年比0・1年伸びた。1990年は3・8年、2010年は6・9年だった。
1人当たりの年間所得は1万4145レアルで、前年の1万4858レアルより減った。1990年は1万746レアル、2010年は1万4580レアルだった。
そういう意味で、今回の指数や順位が前年と同じだったのは、景気後退や失業率上昇といった経済危機の影響が大きかったといえる。
ただ、社会格差も加味すると、ブラジルの順位は19位落ちる。ブラジルは143カ国中10番目に社会格差が大きい国で、ブラジル以上に順位が落ちるのは23位下がるイランとボツワナだけだという。
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