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ブラジル食肉不正疑惑=ブラジル産食肉の輸入停止相次ぐ=火消しに必死のマッジ農相=捜査は拙速との批判の声も

ブライロ・マッジ農相(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

ブライロ・マッジ農相(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 【既報関連】17日に行われたブラジル連邦警察のカルネ・フラッカ作戦において明るみに出た、ブラジル食肉加工業界の品質検査不正疑惑は、世界中に波紋を引き起こし、ブラジル産の食肉の一部または全面輸入停止を表明する国が相次いだと20、21日付現地各紙・サイトが報じた。
 食肉の品質検査不正疑惑発覚直後にブラジル産食肉の輸入停止を発表したのは、欧州連合(EU)や韓国、中国、チリだ。EU、韓国、中国の2016年のブラジル産食肉輸入量は、ブラジルの食肉輸出量の27%を占める。
 ブライロ・マッジ農務相は、四つの国と地域が輸入停止を発表した直後に、連警の捜査対象になった21社に対し、輸出禁止措置をとった。連邦政府は、ダメージが国内全社に及ばないように取り組んでいる。
 テメル大統領は「一部の会社のせいで、ブラジルの農牧畜業全体の評判が落ちる事は避けねばならない」とし、ブラジルの食肉加工会社4837社の内、捜査対象になっているのは21社に過ぎないと強調した。
 その後、韓国は20日夜、ブラジル産の輸入鶏肉にはこれまで問題はなかったとして、輸入制限を課さず、検査の厳格化のみに止めると発表した。
 しかしその後も21日の午前には香港が、今回の捜査対象企業の肉であるか否かに関わらず、ブラジル肉の輸入停止を表明した。スイスはEUと歩調を合わせて、捜査対象企業限定での輸入停止を発表した。
 マッジ農相も「一部の食肉企業に不正の疑惑がかけられただけで、ブラジル産食肉全体が駄目だということにはならない」としたが、中国はすべてのブラジル肉の輸入を停止するとしている。
 農務省高官は21日夜にも中国サイドと電話会談を行い、状況説明を行う予定だと、同日付現地紙は報じている。マッジ農相も「21日夜の電話会談で、輸入停止の状況が少しでも改善する事を願っている」と語った。
 マッジ農相は19日、カルネ・フラッカ作戦には技術的な誤りがあると批判した。同作戦の捜査員は、捜査にはまだ公開できない証拠書類があり、作戦は今後も進展すると反論した。
 20日のTVニュースでは、カルネ・フラッカ作戦に関連する技術鑑定書は2通しかないと報道した。2年前に始まったとされる捜査は、主に肉の検査員と業者間の電話盗聴に基づいている。
 20日には、クリチーバの連邦裁判所判事が同作戦の捜査チームに対し、捜査の材料となった全ての鑑定書を21日までに提出するように命令した。
 なお、日本の農水省と厚労省は現地時間の22日、捜査対象になった2社からの輸入をいったん停止する措置をとった。