21日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の最新捜査が行われ、レナン・カリェイロス前上院議長(民主運動党・PMDB)をはじめとする上院議員4人の関係者や関連企業が捜査対象となった。今回の捜査は、昨年12月に行われたオデブレヒト社の報奨付証言(デラソン・プレミアーダ)に基づいた初めての捜査となる。21日付G1サイトなどが報じている。
この日の捜査は「サテライト」と命名され、ペルナンブッコ州、アラゴアス州、リオ州、バイア州、連邦直轄区で、計14件の家宅捜索と証拠物件の押収が行われた。
今回の捜査は、連邦検察庁からの依頼に応じた連邦最高裁のエジソン・ファキン判事が許可を出して行われたが、これは昨年12月に行われたオデブレヒト社78人の証言に基づいて行われた、初めての捜査となる。
ただ、今回の捜査対象となったのは政治家本人ではなく、あくまでも疑惑の政治家の関係者や関連企業となっている。
ただ、その背後にLJで疑惑視されている政治家の存在があることは事実だ。今回はその手始めとして上院議員らがターゲットとなっており、レナン・カリェイロス前上院議長をはじめ、現議長のエウニシオ・オリヴェイラ氏、ヴァウジール・ラウプ氏(いずれもPMDB)、ウンベルト・コスタ氏(労働者党・PT)の4人の関係者や関連企業が捜査を受けた。
今回、重点的に調べられた人物の一人はペルナンブッコ州レシフェの企業家、マリオ・バルボーザ・ベウトロン氏だ。同氏はコスタ上議と関係が深い人物とされている。
そのことは、LJのペトロブラス内での汚職計画(ペトロロン)の仕掛け人の一人で同公社元供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ被告のデラソンでも明らかにされた。コスタ上議はPTにおける贈収賄工作の窓口だったとされている。
コスタ上議は21日に上院で、マリオ氏は幼友達だが、ペルナンブッコ州に製油所と石油化学工場を誘致しようと共に活動してきたこと以外に共通項はないと釈明した。
また、エウニシオ上議も弁護士を介し、かねてから噂のあった、14年のセアラー州知事選に出馬した際に不正な資金を受け取ったとの疑惑を否定した。エウニシオ氏に関する捜査では、ブラジリアにある同氏所有の現金輸送会社、コンフェデラルも対象となった。
オデブレヒト社のデラソンは、1月末にカルメン・ルシア最高裁長官が承認して司法取引が正式に成立。その後は検察庁が内容の分析と捜査方針の検討を行っていた。
ロドリゴ・ジャノー長官がLJ報告官のファキン判事にデラソンに基づく捜査開始要請を提出したのは14日で、情報公開も含めた、捜査開始許可を待っている。
ファキン判事による情報開示許可などはまだ出ていないため、今回は連警も詳細を公表していないが、今回の捜査を皮切りに政治家を中心とする捜査や摘発が活発化すると考えられる。