出産後1週間の女性2人が24時間以内に死亡した事を受け、サンパウロ市極東部の市立シダーデ・チラデンテス病院の産院が17日に一時閉鎖を決めたと21日付現地紙、サイトが報じた。
実際の運営を担当するのはサンタマルセリーナ社会団体で、同院で出産する予定だった妊婦達は近隣の病院に振り分けられているが、救急外来は継続している。
産院閉鎖の決定は、3月6日と7日に出産した女性2人が、出産後7日目に下腹部の痛みや腹部膨張、発熱を訴えて再来院した後に死亡した事を受けてのものだ。
2人はどちらも普通分娩で、出産に要した時間や出血量、産後の経過に問題がなかったため、子供と共に退院した。
だが、出産後7日目に再来院した時は、産褥感染の症状を呈しており、手当ての甲斐もなく、亡くなった。
同産院内の感染症予防を担当するラケル・ブザネロ医師によると、患者2人の産後の経過は順調で、入院中は産褥感染を示す兆候もなかったが、2人が院内感染を起こした可能性があるという。
この報告を受け、同市立病院は、菌の有無を検査し、清掃を行うために産院を一時的に閉鎖する事を決めた。この検査の結果、何も問題がないと判断されれば、7~10日程度で産院は再開される見込みだ。市役所はこの方針を全面的に支援する意向を発表している。
同病院の産院は市内でも有数の規模で、月間300~350人の子供が生まれている。出産形態は7割が普通分娩だ。
今回の措置を受け、同産院は、自分達が扱っていた患者をグアイナーゼス総合病院やサンマテウス総合病院、イタケーラのサンタマルセリーナ病院に振り替えている。
世界保健機構は16年8月、ブラジルでは入院患者の14%に何らかの形の院内感染が起きていると発表。ブラジルの全国バイオセーフティ協会によると、院内感染による死者は年間約10万人に及ぶという。
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