【既報関連】21日にテメル大統領(民主運動党・PMDB)が発表した、地方公務員を年金制度改革の対象から外す案に、法的障害があるとの声が出て、各自治体の首長からも反発が発生したため、同大統領は各州、各市が独自の年金システムを構築するために180日間の猶予を設ける意向だと、28日付現地紙が報じた。
テメル大統領は25日に、エンリケ・メイレレス財相やマルセロ・カエターノ社会保障局長官と会合を持ち、「州や市が独自の年金改革を行うために180日間の猶予を与え、180日以内に独自の年金システムを議会で承認できない場合には、連邦議会が承認した年金改革を当てはめるという内容の提案」(以下「180日案」)をまとめた。
27日に大統領府で行われた、連立与党代表者とエリゼウ・パジーリャ官房長官、アントニオ・インバッサイ大統領府総務室長官、ジオゴ・オリヴェイラ企画相出席の会合では、180日案の実現に向けた方法が話し合われた。会合では、憲法改正の可能性まで模索されたが、最終合意には至らなかった。
この〃180日案〃で合意がとれれば、同案は下院の年金改革案報告官のアルトゥール・マイア下議(社会民衆党・PPS)の手で、年金改革法案への修正案に書き加えられる。
オリヴェイラ企画相は「法的にも、これが落としどころ」と語り、インバッサイ総務室長官も「180日案により各州知事は年金機構をより精査できる」と語った。
21日にテメル大統領が発表した、「地方公務員を年金改革から外す」案は、連邦議会レベルではおおむね歓迎された。しかし、警官や教師などが「地方公務員が除外されるなら自分たちも」と主張。「国レベルの年金改革から外され、独自に改革をするのは困難」とする地方自治体からの反発も招いていた。
下院政府リーダーのアンドレ・モウラ下議は、「180日案はあくまでも政府側の観測気球で、実質的な討議はまだはじまっていない」と語っている。