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リオ自転車道=専門家が通行停止を勧める=五輪前の崩落区間も含めて

 リオデジャネイロ州の地方建築、工学、農業技師協議会(CREA)が28日、リオ五輪前に市街化計画の一環として建設された、リオ市の海岸部をはしる自転車道は通行停止とすべきとの意見書を提出したと29日付エスタード紙が報じた。
 問題になったのは、サンコンラド~レブロン間3・9キロを結ぶチン・マイア自転車道だ。同自転車道では、16年4月21日に、高波で持ち上げられた路面が約50メートルにわたって崩落し、現場を自転車で通行中だった男性と歩行者の男性の2人が死亡する事故が起きている。
 同自転車道の建設はコンソーシアムの「コンテマット/コンクレジャット」が担当したが、事故現場の路面を橋脚に固定する足が1本しかなく、高波に対する抵抗力を含めた設計上の問題か、手抜き工事かも疑問視されていた。
 今回のCREAの進言は、裁判所の要請で行われた監査の結果を受けたもので、同自転車道全体を見直したところ、わずか1年しか使用していないのに、段差が生じる、基礎部分のブロックの損壊、路面の浸水、路面伸縮の影響を消すための接続部が腐食し始めた木材のせいで機能しにくくなっている、といった問題が見受けられた。
 これらの問題は、海面に張り出し、橋脚によって支えられている部分だけではなく、自動車道などに併設された部分でも見られたという。
 同自転車道の保証期間は落成から5年間で、自転車道の点検を行った技師は、「民事上あるいは刑事上の責任については裁判所が判断する事」とし、建設工事の不備や材料の質、工事発注時の契約上の問題などへの言及を避けている。
 CREAの技師は、4~8月は高波が起きやすいのを利用して、高波や強風といった自然現象が橋脚や路面に及ぼす影響について、更に観察する事も勧めている。