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目立つ見出しは「パルメイラスのTシャツ着た」=熱狂よりちぐはぐさ目立ったジャスティン・ビーバーのブラジル公演

 サンパウロ市では3月最終の週末に、ブラジルのみならず南米を代表する大型ロック・フェスティバル、ロラパルーザが行われたばかりだが、4月最初の週末には、別の大物アイドルがやってきて、コンサートを行った。その大物とはジャスティン・ビーバーだ。
 ビーバーは、人気が爆発した2010年以来、「永遠の少年」という形容がふさわしいルックスと、ハイトーンの歌声で全世界の少女を夢中にさせている。ここブラジルでも世界の話題の波に遅れることなく、早くから人気で、街中で売られているティーン雑誌の表紙を飾り続けている。
 そんな彼も23歳になり、2015年に発表したアルバム「パーパス」でのエレクトロ路線が成功したことで、単なるアイドル人気という次元から脱皮し、本格的アーティストとしての一歩を踏み出した。
 今回のブラジル・ツアーは3回目で、初めてのサッカー・スタジアムでの開催となった。その意味で、ツアー決定と報じられた時から、メディアの注目は高かった。
 だが、ブラジルに来てからのビーバーの報道は、どこかちぐはぐさが拭えない。まず、ビーバーがリオ市に到着するなり、前回ツアーで同市に来た折りに公共の場所に落書を行ったとして罰金を課されることになった。
 また、リオのあるところにお忍びで宿泊していたところ、それを知った熱狂的なファンが、宿泊施設の周囲を車で徘徊しはじめたため、ビーバーのボディガードが出てきて、その車のタイヤをナイフでパンクさせるという対応を行った。
 ビーバーはここ数年、女性ファンの追っかけに対してかなり神経質で、冷たい扱いをするとも報じられていたが、それはブラジルでも同様だったようだ。
 この1週間前には、ビーバーの元恋人でアイドルのセレーナ・ゴメスが現恋人のR&B歌手ザ・ウィークエンドにプライベートで帯同してブラジルにやってきたと話題にもなったが、それが、まだ彼女に未練があると言われるビーバーの機嫌を悪くしていた可能性もある。
 サンパウロのアリアンツ・パルケでビーバーのコンサートが行われたのは1、2日だ。チケットの売り上げは両日共、4万4千枚を売り切る盛況で、黄色い歓声も飛び交ったが、ブラジル・メディアの速報でのコンサート評は必ずしもよいものではなかった。
 メディア速報で最も頻繁に見られた見出しは「ビーバー、パルメイラスのTシャツを着る」というものだった。この日のスタジアムを本拠地とするチームのユニフォームを着ることを話題にするところがブラジルらしいといえるが、いずれにせよ、音楽とは関係ないことだ。
 コンサートの中身に関しても、厳しい批評が目立った。「ステージではまだ成熟しきれていないようだ」と、ショーの進行や歌唱力で注文が飛んだ。中には、「セレーナの今の恋人の方がロラパルーザでもっとよいショーをやっていた」という、ビーバー本人が知ったら激怒しそうな内容のものまで、皮肉を込めて書かれてもいた。また、「明らかに口パクの部分があり、彼は終盤は口をあわすことさえもしなかった」とまで書いていた評があった。(1日付G1サイトなどより)