ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | ベテラン人気俳優がセクハラ=被害者が暴露後、女性芸能人らの運動でTV出演禁止に

ベテラン人気俳優がセクハラ=被害者が暴露後、女性芸能人らの運動でTV出演禁止に

事件を受けて、多くの女性著名人が「1人の女性に触ることは、全ての女性に触るのと同じ! セクハラはたくさん!」と書かれたTシャツを着た写真をインターネットに投稿した

事件を受けて、多くの女性著名人が「1人の女性に触ることは、全ての女性に触るのと同じ! セクハラはたくさん!」と書かれたTシャツを着た写真をインターネットに投稿した

 グローボ局が3日、高視聴率時間帯である夜9時のノヴェーラ(連続ドラマ)の常連出演俳優、ジョゼ・マイエル(67)が、局の衣装担当の女性への度重なるセクハラ行為を理由に、同局の番組への出演差し止めを言い渡され、本人も事実関係を認めた。
 この件は3月31日、グローボ局でノヴェーラの仕事をしている衣装担当者のススレン・トナーニさんが、3月31日付のフォーリャ紙の女性問題用ブログ「アゴラ・エ・ケ・サン・エラス」で暴露したものだった。
 それによると、ススレンさんへのセクハラは、8カ月前からはじまったという。当初は「君は美しい」という誉め言葉からはじまったが、その行為が次第に熱を帯び、エスカレートしていったため、ススレンさんは本人に、「もし、私の身体に触ったりしたら、人事課に告発するわよ」と警告していたという。
 だが、17年2月、マイエルはとうとう、ススレンさんの同意もえず、陰部に触るまでに至ったという。しかもそれはグローボの楽屋で、目の前には他に2人の女性がいるという状態での出来事だったという。
 「67歳の白人の、地位も金もある男性が左手で私の陰部を触った」と書いた。しかも、マイエルは「自分とはなしてくれないなら、もう一度君の身体に触れるぜ」と脅しさえしたという。
 このブログでの発言に対し、マイエルは当初、「私は共演者をはじめ、番組に関わる全ての女性に敬意を払っているつもりだ。事実と作り話を混同しては困る」とその事実を否定した。
 だが、ススレンさんの発言はグローボに出演する女優や女性司会者たちの耳に入った。彼女たちは早速、「1人の女性に触ることは、全ての女性に触るのと同じ! セクハラはたくさん!」と書いたTシャツを一斉に着始め、その写真を公表しあうことでススレンさんへの連帯感を示した。
 グローボ局は3日の決定後、「事実関係を調べた上、マイエルのグローボへの出演を無期限で差し止めることを決めた」と文書で発表した。ブラジルのテレビ界では、出演は一局との独占契約となっているため、どんなに著名な俳優や司会者でも、他の局の番組には出られない。このため、今回の決定は、実質的にテレビでの仕事ができなくなることを意味する。
 マイエル自身も同日、前言を撤回する文書を発表して事実を認め、ススレンさん並びに社会への謝罪を行った。
 マイエルはこの15年ほど前から、「甘いマスクの中年男性」的なポジションでグローボ局のノヴェーラの常連となった。近年も「フィーナ・エスタンパ」「インペーリオ」といった番組がヒットし、3月末に放送を終えたばかりの「ア・レイ・ド・アモール」にも悪役で出演したばかりだった。(4日付G1サイトより)