南大河州グアイーバ市生まれの軍警大佐・池田ユキオ・マリオさん(50、二世)が1月25日、『ブリガダ・ミリタール』副総司令官(subcomandante-geral)に昇格した。他州でいえば「軍警」だが、南大河州では伝統的に「ブリガダ・ミリタール」と表現する。州軍警1万8千人を統括する総司令部のナンバー2に就任した。同日に行われた式典では職務への忠誠を語り挨拶を述べた。
父親は戦後移民の池田武義さん(佐賀県出身、76)、母親はイネス・ユキエさん(二世、親は山梨県人、74)。
池田さんは1985年に軍警へ入隊。2010年から13年までカノアス市の第15大隊の司令官、2014年のブラジルW杯サッカー大会では、同州の特別警戒センターの責任者を務め、15年から17年までは州都ポルト・アレグレ地区司令官になっていた。
就任祝賀会は総司令部貴賓室で行われ、セザール・ロッシャ・ロペス同軍警察長や在ポルト・アレグレ領事事務所の近藤猛事務所長、ポルト・アレグレ日本祭り実行委員長を務める谷口浩会長らが出席した。
就任挨拶に立った池田副司令官は経済・政治状況の不安定感、犯罪率の上昇などの国内の問題を挙げ、「困難が自分や軍の成長に繋がる」と語った。また、「州の端でも必ず赴き、ガウショの生活の平和を守るため、命を危機に晒しても私たちは戦う」と軍警としての姿勢を示した。その後ブラジル歌、州歌を歌い、出席した同僚や親族と昇進を祝った。
谷口会長は池田副司令官について、「警察なので、なんとなくかたいところはあるが、とても話しやすく周囲の人から尊敬されている」と人柄を語り、「ポルト・アレグレ市は日系人が少ない。その中でこんな優秀な人材が出てきたことを嬉しく思う」と日系副司令官誕生を歓んだ。