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《ブラジル》下院で法案連敗続くテメル政権=年金制度や労働法改正に暗雲=機能しない政局調整役たち

アギナルド・リベイロ下院政府リーダー(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
アギナルド・リベイロ下院政府リーダー(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 このところ、下院での法案審議は苦戦が続き、テメル政権が今年中に成立を願っている改革案の承認が危ぶまれている。その主要因は政局調整(アルチクラソン)役の不足だと、7日付エスタード紙が報じている。
 新政権発足後、しばらくは「議会内での信頼はジウマ政権以上」との声が高かったテメル政権だが、ここに来て、議会内での信頼が揺らぎはじめている。
 つまずきのはじまりは3月22日に行われた派遣法審議だ。同法案は承認されたものの、投票結果は231対188票と接戦で、社会保障制度改革案などの憲法改正案承認に必要な308票には大きく届かなかった。
 そして、低所得層向けの家屋の改修専用カード(カルトン・レフォルマ)に関する大統領令についても、政府が意図した「農家に10%を割り当て」が、労働者党(PT)が提出した修正案の「農家に20%割り当て案」に変更された。
 また先週は、公立大学や国立高等教育機関での特別公開講座や大学院レベルの授業を自己負担とする憲法改正案が、賛成票が承認には4票足らない304票しか獲得できずに不成立。今週は、世論調査の結果を受けての社会保障制度改革案の見直しがあったのに加え、財政破綻した州の救済法案も、現状では通過は困難と判断したロドリゴ・マイア議長が投票を翌週以降に先延ばしした。
 今のような苦戦が続けば、テメル政権がもくろんでいる社会保障制度改革や労働法改正はきわめて困難な状況だといわざるを得ない。
 こうした状況に関して、民主党(DEM)のエフライム・フィーリョ下院リーダーは「有権者を説得できるかが最大の問題だ」と発言。社会制度改革などの、テメル政権の「苦い薬」については、理解しきれない有権者がネットなどを通して抵抗を示すなど、圧力が高まっているという。
 また、不人気が予想される法案は上院が扱わないか却下して、下院のみに責任を転嫁する傾向が強いことも、下院の反発を強めているという。
 また、ダニーロ・フォルテ下議(ブラジル社会党・PSB)が「政府の調整役は大統領だけ」と言うように、連邦政府側のアルチクラソンも機能していない。下院の政局調整は、アギナルド・リベイロ下院政府リーダー(進歩党・PP)と下院与党リーダーのレロ・コインブラ下議(民主運動党・PMDB)で、アンドレ・モウラ下議(キリスト教社会党・PSC)も議会政府リーダーに任ぜられているが、「3人が話し合う姿を見たことがない」と語る議員さえいるのが現状だ。

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