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母国の現状に心を痛める、ブラジルに暮らすシリア難民=「米軍の空爆は何の役にも立たない」=「早くアサドを権力の座から除いて」と悲痛な叫び

ブラジルで暮らすシリア難民の人々(Fernando Frazão/Agência Brasil)

ブラジルで暮らすシリア難民の人々(Fernando Frazão/Agência Brasil)

 ブラジルに暮らすシリア難民たちは、米軍によるシリア空軍基地空爆の理由が分からないとし、また行為の効果や正当性にも疑問を投げかけた。
 シリア難民たちは、空爆はシリア国民を助ける以上に、害をあたえると考えており、「トランプ米国大統領が本当にシリアの民を助けたいと思っているならば、アサド大統領を排除し、その後のシリア復興に助力して欲しい」と述べた。
 米軍は米国東部時間の6日午後8時45分に、地中海に展開する駆逐艦から59発のトマホークミサイルをシリア空軍基地に向けて発射した。
 この攻撃は内戦中のシリアで、シリア軍がサリンと疑われる化学兵器を使用し、80人以上の民間人を殺したことに対する報復措置として行われた。
 2014年2月にシリアからサンパウ市に逃れてきたアブドゥルバセット・ジャロウ氏は、家族をシリアに残してきた。
 彼の家族は化学兵器による攻撃が行われた街から車で1時間ほどの街に住んでいたという。
 ジャロウ氏は1週間ほど家族と連絡が取れず、心配していたが、実家の近所に住む人と連絡がとれて、家族は無事だと知り、安堵したという。
 ジャロウ氏は、「米軍の攻撃は不必要なものだった。そんなことより早くアサドを大統領の座から降ろして欲しい。化学兵器はまだまだシリア国内にある。それらの格納庫を全部空爆する気だろうか? 私には、米国は、シリア国民を救うためというより、世界に実力を見せ付けるために空爆したように映る」と語った。
 英語とアラビア語の教師であるモハメド・ハカン氏は、2015年に家族をシリアに残し、サンパウロ市に逃れてきた。
 ハカン氏も、米国空爆の理由が理解できないとし、アサド大統領が退陣し、民衆の正当な支持を受けた指導者の下で計画的に国を再建すること以外に、今の惨状を終わらせる術はないとした。
 「6年前、内戦が始まった時に真っ先にしなければいけなかった事は、アサドを権力の座から引きずり降ろすことだった。今ではロシアやトルコも介入して、イスラム国まで跋扈するようになり、状況は全く混乱してしまった。国のインフラもめちゃくちゃだ。諸外国、テロリストを追い出せても、ちゃんと国民の支持を得た人物、政党が国を治めないとまた同じこと。米軍の攻撃なんて何の役にも立たない」と語る。(7日付G1サイトより)