ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 《ブラジル》年金改革=復活祭休暇返上で詰めの会合=「政府の仕事は進める」決意=改革案で大きな譲歩か?

《ブラジル》年金改革=復活祭休暇返上で詰めの会合=「政府の仕事は進める」決意=改革案で大きな譲歩か?

大統領宮で年金改革案について話し合う、大統領と閣僚、議員達(Marcos Corrêa/PR)

大統領宮で年金改革案について話し合う、大統領と閣僚、議員達(Marcos Corrêa/PR)

 【既報関連】ミシェル・テメル大統領(民主運動党・PMDB)は16日、閣僚や与党議員と社会保障制度改革案(特に年金改革法案)に関して種々の検討を行ったと16、17日付現地紙、サイトが報じた。
 同日招集されたのは、エンリケ・メイレレス財相、アントニオ・インバッサイ大統領府総務室長官、モレイラ・フランコ同事務局長官、マルセロ・カエターノ財務省社会保障局長、ロドリゴ・マイア下院議長、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長、年金改革法案報告官のアルトゥル・マイア下議、ロメロ・ジュカー上議らの面々だ。
 マイア報告官が年金改革法案に関する意見書を下院特別委員会に提出するのは18日で、同委員会での採決は来週以降となるという日程もこの会議で話し合われた。
 11日には、政財界の汚職捜査ラヴァ・ジャット作戦で最高裁が扱う疑惑の政治家ら98人に対する捜査開始を許可したことが暴露され、政府や議会に動揺が走ったが、大統領は「司法の事は司法に任せ、政治の動きを停滞させてはならない」との意志を示していた。
 社会保障費は、国庫、中銀を含む中央政府会計の赤字を一手に引き受けている。16年度の社会保障費の赤字は1497億レアルだった。今年は約1800億レアル、18年は2020億レアルに膨れ上がると見られている。
 政府が昨年出した年金改革案は、「受給開始年齢は65歳から」「必要最低負担年数は25年」「全額受給のためには49年の負担が必要」「50歳以上の男性、45歳以上の女性は、〃移行措置〃として、現行の年金システムで必要な年金負担年数の残りに1・5をかけた年数の負担を求める」などが含まれていたが、今月初旬にエスタード紙が連邦議員に対して行ったアンケートでは、同案に反対する議員が多数を占めていた。
 同日の会合で話し合われた譲歩案は、「全額受給のために必要な年金負担年数を49年から40年とする」「他業種に比べて緩い、警察や教師への年金受給条件を継続する」「農牧畜業年金の受給開始年齢を60歳からとする」「遺族年金と通常の年金の合計額が2最賃を超えない限り、両方を受給できる」「移行措置対象者には現行の年金のシステムで必要な年金負担年数の残りの年数の1・3倍の期間の負担を課す」「移行措置対象年齢を、公務員は男性60歳、女性55歳、民間企業は男性55歳、女性50歳からとする」などだ。だが、「通常の年金受給者の受給開始年齢は65歳から。最低限受給に必要な年金負担は25年間」は保たれた。