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(サッカー)ロドリゴ・カイオのフェアプレー、絶賛される=相手のイエローカードを取り消す説得

昨年11月のセレソン召集時のロドリゴ・カイオ(Lucas Figueiredo / CBF)
昨年11月のセレソン召集時のロドリゴ・カイオ(Lucas Figueiredo / CBF)

 16日に行われたサッカーのサンパウロ州選手権準決勝で、サンパウロFCのセンターバック、ロドリゴ・カイオの行ったフェアプレーが、この日のブラジル・サッカー界の話題をさらった。

 それはモルンビ・スタジアムでのサンパウロ対コリンチャンス戦、前半39分でのことだった。

 このとき、ロドリゴ・カイオは自軍のペナルティ・エリア付近で、見方のキーパーに向かって転がるボールに走って食らいつこうとする相手フォワード、ジョーの行く手をふさぎながらゆっくり後ろに下がり、ペナルティ・エリア内で前進してきたキーパー、レナン・リベイロに直接ボールを取らせようとしていたところだった。

 だがその際、カイオとレナンの間で交錯が起き、ボールを掴んだレナンが痛がる素振りをみせた。すると、これを見た主審が、レナンにもボールにも触っていなかったはずのジョーに対しイエローカードを出した。

 すると、カイオは主審に近づいて主審と交渉。レナンを誤って踏んだのは自分だと告げた。これにより、ジョーのイエローの判断は取り消され、試合は何事もなく続行された。

 すると、これを目の当たりにした人たちが、カイオの行為を絶賛した。その中にはサッカー評論家のツイッター・コメントも少なくなく、特にオスカール・ウリセス氏が語った「この国のサッカーには、自分のチームが有利になるようにだましあう文化がある。ロドリゴ・カイオはそれを変えた」というコメントなどが評判に火をつけた。

 結局、試合はサンパウロFCがホーム開催だったこの試合を0―2で落とした。だが、カイオのプレーは絶賛され、試合後の彼にも取材陣が集まった。カイオはむしろ試合に敗れた悔しさのほうが大きく、憮然とした表情で「当たり前のことをしたに過ぎないよ」と語っただけだった。

 ロドリゴ・カイオは昨年8月のリオ五輪にもセンターバックのレギュラーとして出場した選手で、チッチ監督率いるセレソンにも数度、召集されてもいる若手の有望選手で、現在のサンパウロFCの顔とも言える存在でもある。(17日付UOLサイトなどより)

※尚、翌日サンパウロFCのカイオのチームメイト、マイコンは「彼はチームメイト、自分はいつも彼と共にある。彼の行いは尊重しなくてはいけない」と前置きしつつも、「俺は自分の母が泣くくらいなら、敵の選手の母が泣くほうがましだ」と微妙な言い回しで、本心ではカイオの行為に賛同していないことをほのめかした。

 「あなたに同じ事が起きたら、同じ行動をとるでしょうか? 」と問われたマイコンは、「仮定の話には答えられない」と語るにとどめた。

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