フランシスコ・ローマ法王が、テメル大統領からのブラジル招待を断っていたことが明らかとなった。19日付現地紙が報じている。
テメル大統領がフランシスコ法王にブラジル訪問の招待を提出したのは昨年末だ。今年は聖女アパレシーダ像にまつわる最初の奇跡から300周年にあたるため、アパレシーダの祝日でもある10月12日の再訪問をと望んでいたが、法王は断った。
法王が出した声明によると、ブラジル訪問拒否の理由はテメル政権が進めている、「苦い薬」とも称される社会保障制度改革を始めとした政策を「表面的なもの」として反対しているためだ。
法王は「現在、ブラジルが迎えている危機は社会・経済・政治が絡んだ複雑なもので、現在、政府が打ち出しているような、その場しのぎ的な対策では解決出来ない」と言及。とりわけ、最も貧しい人たちがその代価を払わされていることを問題視している。
ブラジル全国司教会議(CNBB)も3月に、テメル政権が行おうとしている社会保障制度改革に異を唱える声明を出していた。
フランシスコ法王は2013年にリオで開かれたカトリック青年大会でブラジルを訪問した際、「2017年に戻って来るから、祈っていて欲しい」と発言していた。