【マンザナー共同】第2次大戦中に「敵性外国人」として強制収容された計約12万人の日系人の苦難をしのぶ式典が、米カリフォルニア州中部マンザナーの強制収容所跡地で開かれた。今年は収容が始まってから75年で、2千人以上の参加者は人種差別的な政策が指摘されるトランプ政権に対する危機感を共有し「同じことを繰り返してはならない」と誓った。
日系人の強制収容は1942年のルーズベルト政権の大統領令が根拠となった。式典は4月29日。トランプ大統領がイスラム圏からの入国を規制する大統領令に署名したことを受け、イスラム教徒らでつくる団体「米イスラム関係評議会」を代表して登壇したアスマ・アハメドさん(33)は「どちらの大統領令も恐れと偏見から生まれた」と指摘。「マンザナーと日系人の驚くべき精神を忘れてはいけない。彼らが苦難に打ち勝ったようにわれわれも打ち勝つ」と話した。
マンザナー収容所で生まれたアラン・ニシオさん(71)はレーガン政権が88年、強制収容は不当な差別で誤りだったと謝罪した際に「われわれは謝罪を受け入れるとともに、同じことが二度と起きないよう責任を負った」と述べ、「わが国の歴史の重要な分岐点を迎えている今、行動しなくてはいけない」と訴えた。
参加者は式典後、慰霊碑に花を供え、収容所で亡くなった日系人らに鎮魂の祈りをささげた。