現在、総額1兆レアル(35兆円相当)にも達する国内個人投資家による投資資金を巡って、各証券会社がシェアを奪い合っていると、8日付現地紙が報じた。
先行しているXPインヴェスチメント(XP社)は、2カ月前に株式公開も果たした。ジェニアル社、イージーインヴェスト社、BTG社などの独立系金融機関は、多くの国民が貯蓄に振り向けている資金を投資に向けさせようと躍起だ。
各社では、手数料の割引や煩雑な手続き解消、投資の際に多様な選択肢を提供することで投資獲得を競っている。
新興各社は市場での存在感を増してきているものの、既存の大手金融会社を脅かすための道のりは遠い。調査によると、ブラジル人の投資資金の95%は未だに、ブラジル銀行、イタウ、ブラデスコ、サンタンデール銀行、連邦貯蓄銀行(Caixa)の5行に集中している。
独立系金融機関成長の裏には、昨年10月以降の経済基本金利の引き下げにより、一般投資家がリスク覚悟で高い収益率をもたらす投資の可能性を探し始めたこと、技術の進歩により、個人投資家が独自のポートフォリオを作れるようになった事が上げられる。
イージーインヴェスト社に資本参加した米国ファンドの共同経営者マリオ・マルタ氏は「技術の進歩により、個人投資部門はより収益性の高いビジネスモデルを持てるようになった」と語る。
新興証券会社はネットを駆使しており、画面上で数字を操作するだけで、気軽に証券や確定利付投資商品などを売買できることが魅力になっている。
XP社は、1990年代の終わりから2000年代初頭に先行各社が失敗したにも関わらず、この分野に進出し、今の地位を築いた。