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サンパウロ市麻薬地帯=中毒者保護業務の男性死亡=対抗ギャングと混同されたか?

 今月3日にサンパウロ市セントロの麻薬汚染地帯、クラコランジアで消息を絶ち、その後遺体となって発見された男性の父親が9日朝、遺体は息子のものだと確認したと同日付現地ニュースサイトが報じた。
 亡くなったのはブルーノ・タヴァレスさん(34)で、薬物中毒者や精神科患者らの救出や保護を行うリスタート社に勤務していた。
 ブルーノさんは3日、禁止薬物常用者である娘を探して欲しいとの要望を受け、リスタート社の上司と共にクラコランジアに入ったが、捜索中に消息を絶ち、7日に、行方不明現場からおよそ2キロ離れた場所で遺体となって発見された。
 同件の捜査は、クラコランジアのある地域を管轄するサンパウロ市第3警察署の支援も受け、殺人罪・人身保護担当課(DHPP)が行う。
 ブルーノさんは3日に上司と共に救急車でクラコランジアに向かい、依頼人の娘を見つけるため、同地域を支配する麻薬密売人たちに立ち入り許可を求めた。密売人たちは「娘の母を連れて来い」と言ったという。
 ブルーノさんの上司が依頼人である母親を連れて戻ってくると、その場に残していたブルーノさんの姿がなかった。
 リスタート社社長は、警察に対し、「麻薬密売人は、ブルーノさんをリオのギャング団、コマンド・ヴェルメーリョの構成員だと疑ったのではないか」と語っている。
 遺族は、ブルーノさんはいかなるギャングとも関わりを持ったことはなかったと語っている。
 第3警察署のオズヴァニィ・バルボーザ警部によると、失踪当日に軍警に対し、ブルーノさん発見のために機動隊をクラコランジアに突入させるよう要請したが、ブルーノさんがクラコランジア内にいるという確証がなかったために許可が下りなかったという。